車が「キーキー」音がする! すぐに停めるべき?放っておいても大丈夫? 緊急事態ではないケースとは

クルマを運転中、「キーキー」といった音が聞こえてくる場合があります。クルマからそのような異音が発生すると「緊急事態」を連想させますが、じつはすべてが緊急を表しているわけではないようです。

ブレーキの「キーキー」音の正体は?

 クルマを運転中に、「キーキー」といった音が聞こえてくる場合があります。聞き慣れない異音が発生すると不安に感じるドライバーもいるかもしれませんが、このような音がすべて危険に直結しているわけではありません。
 
 この音はブレーキを踏み込んだ際に聞こえることが多く、「ブレーキ鳴き」と呼ばれています。

ブレーキ踏んだら「キー!」 すぐ対処すべき?
ブレーキ踏んだら「キー!」 すぐ対処すべき?

 ブレーキは運転操作の基本となる減速から緊急回避など、クルマを操作する上で重要な役割を担っています。

 そんなブレーキから「キーキー」といった悲鳴が上がれば、誰しもが心配して当然です。しかし、なんら異常がない場合でもブレーキからそういった音が発生するケースがあるようです。

 それでは、どのようなときにブレーキ鳴きが発生するのでしょうか。

 最近のクルマの多くはディスクブレーキが採用されており、タイヤとともに回転するブレーキローター(ブレーキディスク)を付属しているブレーキパッド(摩擦材)で押さえつけることで、摩擦の力によってクルマを減速させる仕組みです。

 ブレーキ鳴きの原因について、自動車整備工場の担当者は以下のように話します。

「パッドは摩擦を生み出すため、使用していくうちに必然的に摩耗していき、パッド全体がローターにまんべんなく接地されずに『キーキー』といった音を立てることがあります」と話します。

 それに加え、冬場は特にブレーキが冷え切った状態となっているため金属が熱を帯びておらず、より摩擦が発生しやすくなります。これが原因で、気温が低いときはブレーキ鳴きが起こる可能性も高い傾向にあるようです。

 また、先出の担当者はそのほかの原因について「低速走行時においても、ブレーキ鳴きが発生する可能性があります」といいます。

 ブレーキを踏み込むとブレーキパッドとローターが接触することで振動が発生する仕組みになっています。低速時に軽くブレーキを踏み込んだ場合では、その振動が発生しやすくブレーキ鳴きも起こりやすくなるようです。

 一方で、一部のディスクブレーキのなかには「パッドウェアインジケーター」というものが装備されています。

 これはブレーキの使用によってパッドがすり減っていき、交換が必要な程度まで摩耗しているときに意図的に音が発せられる装置です。

 先出の担当者によれば「インジケーターによりブレーキ鳴きが起こることもあります」といいます。

 音によってドライバーにパッドの交換が必要であることを知らせ、ブレーキのメンテナンス不足による大きな事故に繋がらないよう対策を促すものです。

 では、インジケーターによるブレーキ鳴きが発生している場合、今すぐにでも交換したほうが良いのでしょうか。

 これについて先出の担当者は「インジケーターが鳴ったからといって、すぐに交換しないといけないわけではないですが、可能な限り早い段階で点検と交換を進めています」と説明します。

 このように、同じブレーキ鳴きでもさまざまな要因があり「キーキー」と音が聞こえた場合でも、すべてのケースで緊急事態が起こっているわけではないようです。

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