「売れすぎ!」小型SUV「ライズ」の強力ライバルに!? 日本未発売が「惜しい!」 日産コンパクトSUV「マグナイト」とは
100万円台で買えるトヨタのコンパクトなSUV「ライズ」「ヤリスクロス」が人気を集めるなか、日産にはど真ん中のライバル車がありません。しかし海外には、全長4m弱とライズ同等サイズの日産「マグナイト」が存在しています。どのようなクルマなのでしょうか。
爆売れ中の「ライズ」に対抗可能!? 日本にはない日産「マグナイト」
トヨタのコンパクトSUV「ライズ」「ヤリスクロス」が好調な販売状況を示すなか、対抗する他メーカーのライバル車はあまり見当たりません。
しかし最適そうなコンパクトSUVが、じつは日産の海外専用モデルとして用意されています。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した、2022年の乗用車年間ランキング(軽自動車を除く)では、ライズが8万3620台を販売し、総合4位にランクインしています。
また1位は「ヤリス」シリーズ(16万8557台)ですが、トヨタによると、そのうちヤリスクロスの年間販売は約8万2680台を占めているといいます。
このようにトヨタのコンパクトSUVモデルが販売ランキングで好成績を示すなか、他メーカーでライバルとなるモデルは上位に見当たりません。
しかし日産では、海外市場向けのコンパクトSUVを2021年より発売しています。
車名は「マグナイト」。インドのルノー日産工場で生産され、国内のみならず南アフリカやインドネシアなど、15の国に輸出もおこなわれています。
ボディサイズは、全長3994mm×全幅1758mm×全高1572mm、ホイールベースは2500mm(数値はインド仕様)です。
日産では、コンパクトなサイズながら広い足元空間や十分な荷室空間を確保していると説明します。
ライズが全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm、ホイールベース2525mmなので、5ナンバー枠を超える車幅以外は、ほぼ同等といえます。
マグナイトに搭載されるのは、1リッターガソリンエンジン(72ps/96Nm)と、高出力な1リッターガソリンターボエンジン(100ps/160Nm)の2タイプで、5速MTのほか、ターボモデルにはCVTも用意します。
いまのところ日産から日本へ導入するといった発表は一切ありませんが、コンパクトSUVの安定した需要がみられるなかで、マグナイトの国内発売が大いに期待されるところです。
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日産では2023年1月現在、ライズなどに対抗するコンパクトSUVとして「キックス」を販売していますが、上記の年間ランキングでは28位(1万8066台)に留まります。
ハイブリッドシステム「e-POWER」専用車であるキックスの消費税込み価格は279万8400円から344万8500円と、やや高価なのに対し、トヨタの2モデルはハイブリッドに加え、廉価なガソリンエンジンモデルも用意しています。
ライズの価格は171万7000円から233万8000円まで、ヤリスクロスの価格は189万6000円から293万6000円です。
こうした価格差は販売に少なからず影響しているようです。
首都圏のある日産販売店では、次のように話します。
「価格面ではライバルに勝てません。また日産では約320万円で上位クラスのSUV『エクストレイル』も買えるので、むしろそちらをオススメするケースもあります。
キックスの場合、ボディサイズがライバルより少し大柄(編集部注:全長4290mm)なので、その分室内や荷室などに余裕がある点をアピールしています」
より廉価でコンパクトなマグナイトは、販売現場でも切実に求められている新型車なのかもしれません。
キックスでいいじゃん。