なぜ「メロディ信号」は減った? 紛らわしさ防止で擬音に変化 今後はスマホ通知も増えるか
歩行者が信号機のある横断歩道を渡る際に「通りゃんせ」や「故郷の空」といったメロディを聞く機会があります。しかし最近ではメロディ式から「ピヨピヨ」や「カッコー」といった擬音式に置き換わっているといいます。なぜメロディ式から変わったのでしょうか。
「通りゃんせ信号」絶滅の危機! なぜ減少?
歩行者側の信号が青になると「通りゃんせ」や「故郷の空」などの目の不自由な人などに対して渡るタイミングを促す曲(メロディ)が流れるのを聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし最近ではメロディではなく「ピヨピヨ」や「カッコー」といった擬音を流す信号機に変わりつつあるようですが、なぜなのでしょうか。
歩行者側の信号が青になったときに流れるメロディの正式名称は、「視覚障害者用付加装置」といいます。
これは視覚障がいを持つ人が青であることに気づき、横断歩道を渡りやすくするために信号機に付属する装置から流れています。
警察庁のホームページによると、この視覚障害者用付加装置が整備された音響信号機の設置場所は、視覚障がいを持つ人の利用頻度が高い、盲学校やリハビリテーションセンター、役所など公共施設を含む地域に優先的に設置されています。
設置がはじまった当初は、さまざまな音の種類が存在したようですが、利用者から全国で統一してほしいとの要望があり、1975年に有識者や視覚障がい者団体などからなる委員会で検討がおこなわれました。
さらにアンケート調査などもおこなった結果、「通りゃんせ」と「故郷の空」、さらに「ピヨピヨ」「カッコー」の擬音式が選ばれたといいます。
そんな音響信号機ですが、2022年3月末現在、全国で2万838基(メロディ式307基・擬音式2万531基)が設置されており、約99%が擬音式(警察庁調べ)。
2017年3月の同データでは、全国で約1万9500基(メロディ式約340基・擬音式約1万9100基)設置されていたことから、音響信号機は増加傾向にあるものの、メロディ式は減少していることがわかります。
では、なぜ「通りゃんせ」や「故郷の空」などのメロディ式が減少しているのでしょうか。
日本身体障害者団体連合会は過去に、「音響式信号機への要望として『異種鳴き交わし方式はわかりやすい』や『音響信号機の音について統一してもらいたい』、『擬音式に統一することは賛成である』といった意見が寄せられています」と公表。
さらに警察庁は2003年10月、「道路横断時の方向性が明確で、誘導性も高い擬音式の『異種鳴き交わし方式』の整備を進める」という内容の通達を出しています。
これらの意見や通達により、メロディ式は徐々に姿を消し、「ピヨピヨ」・「カッコー」の擬音式が主流となりつつあります。
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