「大雪の立ち往生」 きっかけは「大型車?」 考えられる原因とは 立ち往生した時はどう対応したらいい!?
近年、大雪の影響でクルマの立ち往生が発生するケースがよく見られます。これにはどんな要因が考えられるのでしょうか。
大雪による立ち往生 きっかけは「大型車?」
近年、警報が発令されるほどの大雪に見舞われ、全国各地でクルマの立ち往生が発生した事例がいくつかありました。
立ち往生が発生すると「十数時間もクルマを動かせない…」という事態につながることもあります。
そもそも立ち往生の発生にはどういった要因が考えられるのでしょうか。また立ち往生してしまった場合、どのような対応を取れば良いのでしょうか。
過去の例では、2020年12月中旬から2021年2月にかけて新潟県内で大雪となり、関越道では複数箇所で大型車の立ち往生が発生。12月16日から18日の3日間にかけて最大約2100台による大規模な車両滞留が発生する事態となりました。
当時は解消までに長時間を要し、滞留車両に取り残された人の人命救助のほか、物流が滞ることで社会経済活動に多大な影響を及ぼしたといいます。
また国土交通省が公表している「近年の積雪状況および平成29年度豪雪の状況について」という資料では、2015年度に降雪により直轄国道において立ち往生した車両547台のうち約61%が大型車という結果が分かっています。
このように、トラックなどの大型車両が動かなくなったことがきっかけで大規模な立ち往生に発展するケースがあることがうかがえます。
そもそも雪道で立ち往生が発生するのは、道にできた「くぼみ」が原因です。
渋滞などでクルマが停止した場合、放出される熱により、一時的に雪が溶けて道にくぼみができ、さらに溶けた雪が再度固まってくぼみが氷板状に変化します。
このようにくぼみが深くなることに加え、くぼみの表面が氷でツルツルとした状態になるため、タイヤが抜け出せなくなり立ち往生が発生しやすくなります。
さらに、くぼみから脱出するために慌ててアクセルを踏んでしまうとタイヤが空転し、くぼみが深まってしまいます。
特に大型車両は重みと熱によって道のくぼみが深まりやすく、より脱出しにくいと考えられます。
また、国土交通省が日本自動車工業会各社および日本自動車車体工業会に対し、車両の立ち往生に関しておこなった過去のヒアリングでは、立ち往生した大型車のほとんどが冬用タイヤを装着していたものの、チェーンが装着されていなかったという結果が分かっています。
たくさんの積雪が見込まれる場合には冬用タイヤに加え、タイヤのサイズに合ったチェーンを早めに装着することが立ち往生防止に有効といえるでしょう。
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さらに国土交通省は、積雪路などでとくに立ち往生が発生しやすい車両について、4種類を挙げています。
トラックなどで駆動輪となる後輪が前後で二軸の車両と比べて回転しやすい「一軸駆動車」、トレーラー付近の積雪により走行抵抗が増大する「連結車」、「空荷状態の大型車」や「年式の古い大型車両」について注意が必要と呼びかけています。
大型車はくぼみにはまってしまうと、立ち往生のきっかけになりやすいといえます。
このため、雪の時期はとくに運転時に十分な注意が必要です。
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