トーヨータイヤが東ヨーロッパに工場を開設! なぜセルビアに? ブランド力向上を目指すワケとは

「TOYO TIRE」ブランド力アップにはモータースポーツも欠かせない?

 セルビアに工場を開設したトーヨータイヤですが、2019年にドイツに「R&Dセンター」を開設して、情報収集や素材の研究がされており、それらを商品にフィードバックしています。

 ドイツに開設した理由としては多くの情報が集まりやすいというのが最大の特徴です。

 なぜならば、ヨーロッパには多くのタイヤメーカーがあることや、素材の研究なども多くおこなわれているため、その情報が集まりやすいからというわけです。

トーヨータイヤ社長の清水隆史氏
トーヨータイヤ社長の清水隆史氏

 2019年からトーヨータイヤはニュルブルクリンク24時間レースにも参戦を開始しました。

 ドイツの有名な「リング・レーシング」とタッグを組み、トヨタ「GRスープラ GT4」でニュルブルクリンク24時間でのクラス優勝を目指して活動しています。

 今年開催された24時間レースはマシンの不調により順位は奮わなかったのですが、前後におこなわれたNLSではクラス優勝を果たし、着実にレベルアップ。ドイツにあるR&Dセンターの研究開発の成果が結果に結びつきました。

 サーキットレースにおいては、ニュルブルクリンク24時間レースでの活動により、ヨーロッパにおける認知度とブランド力アップを目指していくとしています。

 一方で、トーヨータイヤの代名詞でもあるオフロードタイヤ「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」シリーズを使用したモータースポーツでは、ダカールラリーにおいてトヨタ車体とタッグを組み、「ランドクルーザー」でクラス連覇を伸ばし続けています。

 またバハ1000というラリーでも活躍をしていて、これによりSUVでの認知度がさらに向上し、商品の魅力を伝えています。

 ニュルブルクリンク24時間レースはドイツ、ダカールラリーは以前のアフリカや中東に代わり最近では南米をメインに開催されています。ちなみに、バハ1000はメキシコの砂漠で行われるレースです。

 南米でレースが開催されれば、北米におけるブランド力アップにも繋がります。

 どの競技においても必要とされる性能があり、そのためにトーヨータイヤは研究開発を常におこなっています。

 そしてレースが終われば次の戦いに向けてバージョンアップしていく必要があります。

 そこで、ドイツにあるR&Dセンターとセルビアに新しい生産拠点が作られたことにより、より密接に研究と生産が結びついて、商品力が上がりブランド力アップに繋がっていくのではと思われます。

 このようなレース活動から得られた知見を商品に落とし込んでいくことで、より魅力的な商品が開発されていくはずです。

 今回ヨーロッパのセルビアに生産拠点を設置したことにより、トーヨータイヤは「『質・中身』をよくすることでブランド力アップに繋げていきたい」と会見で語りました。

 現在セルビアにはトーヨータイヤの他に4メーカーの工場があります。

 他メーカーの工場があることにより、1から学んでいくのではなく、即戦力の人材を確保できることもセルビアに開設した要因のひとつとされます。

 ほかにも広大で強固な地盤をもった土地、まじめで優秀な人材確保、政府との強固な繋がりなど、メリットが多くあることも開設した理由だそうです。

 レースにおいても、生産においても他社と比較することでよりよい人材や材料なども集まりやすくなります。

 今後のトーヨータイヤの成長を見極める重要な拠点として開設されたセルビア工場。今後どのような成果が生まれていくのか非常に気になります。

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