MT車とAT車の「操作性」どう違う? AT車はやっぱり簡単? 免許取得者減少の「MT車」に乗るメリットは
AT車とMT車が存在しますが、それぞれ操作性にはどのような違いがあるのでしょうか。
AT車とMT車は何が違う?
クルマの普通運転免許には、MT(マニュアルトランスミッション)車とAT(オートマチックトランスミッション)車の両方を運転できるものと、AT車に限定して運転できる2種類があります。
ではAT車とMT車にはどのような違いがあるのでしょうか。
MT車とAT車には、それぞれ「トランスミッション」という言葉が略されています。
そもそもトランスミッションとは「変速機」と呼ばれ、エンジンの動力を走行条件に合わせて変化させ、タイヤに伝える装置のことを指します。
それぞれの違いについて、AT車はオートマチックの名のとおり、クルマが自動的にギアを切り替えてエンジンの動力をタイヤに伝えるため、ドライバーが特別な操作をおこなう必要はありません。
一方でMT車は、手動でギアを切り替えてエンジンの動力をタイヤに伝える仕組みになっているため、クラッチペダルとギアを変えるためのシフトレバーを操作して運転する必要があります。
MT車のシフトレバーには、一般的に1速、2速、3速、4速、5速、N(ニュートラル)、R(リバース)の7種類があり、基本的に数字が上がるにつれて加速するものの力が落ちるという特徴があります。Nは停止するとき、Rはクルマを後退させるときなどに使用します。
たとえば1速から2速へと速度を上げる場合には、クラッチペダルを強く踏んでエンジンの動力とタイヤを遮断し、その上でシフトレバーを1速から2速へ操作。
その後クラッチペダルを離してエンジンの動力がタイヤに伝わるようにするとスムーズに加速できます。速度を下げる場合にも同様にクラッチペダルとシフトレバーを操作します。
これはあくまで一部の操作であり、坂道発進の際にはハンドブレーキを操作することもあるなど、MT車はAT車と比べて運転中に多くの動作を必要とします。
そのため、自動車教習所ではMT車の方がAT車より教習に要する時間が長く、当然ながら教習料金も高くなります。
このように、AT車とMT車は操作性が大きく違うということが分かるでしょう。
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運転免許の取得状況を見てみると、2021年中に普通免許を取得した123万1297人のうち、AT車限定の取得者は87万4662人と、AT車限定を取得している人が約7割以上占めていることが分かります。
現状ではAT車限定免許を取得している人が多いといえますが、AT車とMT車にはそれぞれどういったメリットがあるのでしょうか。
AT車に乗るメリットは、やはり「運転操作が比較的簡単である」という点です。
MT車のようにクラッチペダルやシフトレバーの操作を必要としないため、細かい操作が苦手な人でも運転が可能です。また国内の乗用車の多くはAT車であり、MT車よりも選べる車種の幅が広がると考えられます。
ただしAT車にはアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が発生しやすいというデメリットもあります。
MT車の場合は発進する際にクラッチペダルの操作が必要であり、クラッチペダルを踏んでいればエンジンの動力がタイヤに伝わらないため、アクセルを踏んでも誤発進することはありません。
そのほかMT車の特徴として「自分でクルマを操作している感覚を楽しめる」という点が挙げられます。
これに関してはクラッチペダルやシフトレバーなどMT車の運転操作を楽しいと思えるか、それとも面倒だと感じるのかによってメリットにもデメリットにもなり得るといえるでしょう。
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AT車とMT車はギアチェンジを自動でおこなうか、手動でおこなうかという点で異なります。
AT車とMT車のそれぞれの特徴を理解したうえで、自分に合ったクルマを選ぶようにしましょう。
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