ETC新規格「ETC2.0」なぜ普及率低い? 潜む課題とは 古い「ETC車載器」使えなくなる「2030年問題」も
ETC新サービス「ETC2.0」の普及率は未だ高いとはいえないのが現状です。これは一体なぜなのでしょうか。
「ETC2.0」なぜ普及率低い?
ETCには新サービス「ETC2.0」が存在しますが、普及率は未だ50%にも満たないのが現状です。
どういった理由が考えられるのでしょうか。
新規格のETC2.0は、従来のETC機能である料金支払いにとどまらず、通信アンテナ「ITSスポット」とETC2.0車載器、カーナビを用いた双方向通信によってさまざまな機能を備えているといいます。
一方で、2022年9月時点で1日当たり245万台がETC2.0を利用しており、利用率は、29.1%となっています。(国土交通省調べ)
2021年9月では212万台/27.4%と、比べてみると増加傾向にあるものの、未だ半数以上に至っておらず多いとはいえないのが現状です。ではどういった理由が考えられるのでしょうか。
ETC2.0にはサービスのひとつとして、特定の区間を対象とした料金割引があります。
「圏央道割引」では、圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名JCT、海老名~木更津JCT)、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)の区間が対象となっており、従来のETC料金の2割引で通行可能。
たとえば東名高速の大井松田ICから圏央道の相模原ICの区間では、普通車の場合1500円のところ、ETC2.0車は1390円となります。
また、愛知県豊田市、岐阜県、三重県四日市市などを経由する東海環状自動車道を対象とした「東海環状自動車道割引」も実施しています。
このほか、渋滞支援として「ダイナミックルートガイダンス」があり、カーナビと連携させることで、広い範囲の道路交通情報を確認できるほか、渋滞を回避するルートを把握でき、ETC2.0では最大1000kmの広範囲までの道路交通情報を提供しています。
また、一時退出・再進入について社会実験がおこなわれており、高速道路の休憩施設の不足解消に向けて、ETC2.0搭載車を対象に、道の駅に一時退出しても追加料金なしで継続利用できる実験がおこなわれています。
このように、ETC2.0ではさまざまなサービスを展開する一方で、割引制度は一部区間のみなど、対象エリアの利用者以外には大きな割引のメリットはないといえます。
また事故や災害情報については従来のカーナビや手持ちのスマホからでも情報を得ることができます。
ETC2.0では広範囲の道路交通情報の提供をおこなっているものの、今持っている機器で十分に利用できていると感じている人も多いかもしれません。
さらに、ETC2.0は対応の車載器の買い替えのほか対応型のカーナビなど環境を整える必要があり、費用や手間がかかります。
こうした理由が、ETC2.0の普及率に影響しているといえるかもしれません。
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一方で、ETCには「2030年問題」と呼ばれる問題が待ち受けています。
これはETCシステム全体のセキュリティ規格が変更になる予定によるもので、「遅くとも2030年には新セキュリティ規格の車載器のみ」となり、現在使用している車載器が使えなくなる可能性があるといいます。
新セキュリティ規格に対応した車載器は、ETCカードの差し込み口などに「●●●」というマークがありますが、旧規格ではそのマークがありません。
またETC2.0車載器であっても、「■」のマークもついているものは旧規格の機種であるため、買い替えが必要だといいます。
今後待ち受ける2030年問題に備え、自分が使っているETCが新規格に対応していない場合は、新規格の車載器の買い替えが必要となります。
車載器本体の表示や取扱説明書などの記載内容をもとに、対応状況を事前にチェックしておくと安心といえるかもしれません。
ユーザーの都合でもないのに2.0にしたのにセキュリティアップデートのために買い替えとかふざけるなって感じ。台湾のeTag方式が何故日本で出来ないのか…って、結局は天下り先確保の利権絡みのこれまたふざけた理由なんだろうけどね。