なぜ? 突如トヨタは「新型モデル」投入を発表!? 「価格は圧倒的に安く」話題の「IMV0」はどんなクルマ? いずれに日本にも
走り意識したレース仕様の詳細は? 感じの日本導入はあるの? 聞いてみた!
メカニズムはどうでしょうか。
現在発売中のハイラックスのアイテムを上手に活用しています。
メインとなるのはディーゼルのようですが、開発を担当するトヨタ ダイハツ エンジニアリング&マニュファクチャリングの社長兼エグゼクティブチーフエンジニアの小西良樹氏は次のように教えてくれました。
「仕向け地の嗜好や規制に合わせて複数用意する予定ですが、皆さんが考え得るさまざまな選択肢……HEV(ハイブリッド)やBEV(電気自動車)、FCEV(水素燃料電池車)、HICEV(水素エンジン)の搭載も視野にいれた設計になっています」
ちなみにセーフティカーのエンジンは2.4リッターターボディーゼル(2GD-FTV)+6速MTの組み合わせですが、ハイラックスのワンメイクレース車両と同じチューニングが施されており最高出力はノーマルの150psに対して180psまで引き上げられています。
ちなみに6速MTを操作してみると、ピックアップトラックとは思えないフィーリングにビックリしたほか、サイドブレーキはハンド式となっています。
シャシはIMVシリーズ用を最適化して使用されており、IMVシリーズのシャシは2種類(ショート2750/ロング3085mm)用意されています。
タイトヨタ60周年式典でお披露目されたIMV0はロング、セーフティカーはショートとなり、準じているのは間違いないでしょう。
サスペンションはフロント:ダブルウィッシュボーン(コイルバネ)、リア:リジット式(リーフスプリング)ですが、ペースカーにはハイラックスのワンメイクレース用をベースにIMV0の前後バランスや軸重に合わせて最適化された物が装着されています。
つまり単なる「見た目」だけのモデルではなく、セーフティカーとしてレーシングスピードで走ることができる状態にセットされているのです。セーフティカーへの架装はTCDアジアが担当、細部まで徹底したクオリティの高さはすぐにでも市販化できそうなレベルでした。
そもそもなぜ今回ペースカーを製作したのか。その理由を小西氏は次のように話しています。
「タイのピックアップ市場はいすゞ『D-MAX』とのシェア争いをおこなっていますが、若いユーザーに絞るとD-MAXのほうが圧倒的な人気です。
その理由のひとつは『カスタムの自由度』で、さまざまな工夫が随所におこなわれています。
我々はその部分に関しては負けていますのでIMV0で巻き返しをしていきたいと思っていますが、このモデルは提案のひとつになります。
これもある意味トヨタの『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』のひとつです。
とはいっても、基本は生活や仕事の足として活用する『働くクルマ』がメインストリームなので、ユーザーの利用実態や架装メーカーの業務といった現地ニーズを徹底調査、多彩な用途に合わせて荷台を変更しやすい設計にしています」
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発売は2023年後半を予定していますが、気になるのは「日本で発売されるのか?」でしょう。
小西氏は期待を匂わすコメントを残してくれました。
「メインはタイをはじめとするアジア市場ですが、安全基準などは世界の法規/アセスメントを見据えた設計をおこなっていますので、個人的には日本でも発売したいと考えています。
皆さんの声が後押しになるので是非とも応援してください。
価格はまだ公表できませんが『圧倒的に安く』提供したいと思っていますので、ご期待ください」
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シンプルisベストをカタチにしたIMV0、日本では「安い、カスタマイズ、楽しい」というキャラを活かし、単なる道具を超えたアソビのツールになってくれることに期待したいです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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