なぜ? 突如トヨタは「新型モデル」投入を発表!? 「価格は圧倒的に安く」話題の「IMV0」はどんなクルマ? いずれに日本にも
2022年12月14日にトヨタはタイでの事業開始60年を祝った式典をおこないました。その式典のなかでマルチパーパスとなる「IMV0コンセプト」や商用車のカーボンニュートラルの提案として「ハイラックスレボBEVコンセプト」をお披露目しています。
話題のIMV0はどんなクルマ? 日本導入もある?
トヨタのタイ法人であるタイトヨタ創立60周年記念式典で「ハイラックスREVO BEVコンセプト」と共にサプライズ発表されたモデルが「IMV0(ゼロ)」になります。
話題となっているIMV0ですが、どのようなクルマなのでしょうか。
トヨタのタイ法人であるタイトヨタ創立60周年記念式典で「ハイラックスREVO BEVコンセプト」と共にサプライズ発表されたモデルが「IMV0(ゼロ)」になります。
日本では「ハイラックスの次期モデルなのか?」と思う人もいるようですが、トヨタのIMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)シリーズの新たな選択肢となるニューモデルです。
IMVはひとつのプラットフォームから世界の新興国の多様なニーズにあわせて生産をおこな世界戦略車プロジェクトで、名乗ってはいませんがトヨタのクルマづくりの構造改革「TNGA」をいち早く実践した物づくりがおこなわれているのが特徴となっています。
ちなみに、このプロジェクトの責任者は当時アジア本部長だった豊田章男氏でした。
IMVシリーズはこのプロジェクトから生まれた全てのモデルの総称で、IからIIIがピックアップ(ハイラックス)、IVがSUV(フォーチュナー)、そしてVがミニバン(イノーバ)で、現在は「カローラ」や「ヤリスカムリ」と並ぶトヨタのビジネスをけん引する重要なモデルへと成長しています。
そんななか、IMV0はなぜ開発されたのでしょうか。
それは「IMVの原点に戻る」ためです。そもそもIMVシリーズは「多くの人に『移動の自由』の提供」であり、アフォーダブルな価格ながらも魅力ある商品展開が特徴でした。
しかし、世代を重ねるにつれて、より豪華方向にシフトしていったのも事実です。
もちろん市場動向やライバルとの戦いなどから、上級モデルが中心のモデル展開となりスターティングプライスも上昇。その結果、IMVシリーズのコンセプトがブレてしまいました。
この辺りは消費者側のニーズの変化もあるので難しい部分なのですが、1台のモデルで全てのニーズをカバーするのが難しくなってしまったわけです。
そこで「移動の自由と経済成長をサポートするIMVをもう一度作ろう」と新たに開発されたのがIMV0です。
今回は何もアナウンスされていませんが、原点に戻ったIMV0が登場したことで、恐らく今後登場予定の9代目ハイラックスは少し上級移行するのではないかと予想しています。
では、このIMV0はどのようなモデルなのでしょうか。
筆者(山本シンヤ)はタイトヨタ創立60周年記念式典のときに実車を見ることができたとはいえ、プレゼンの間の僅かな時間に客席から遠目で……だったため、「どこかで詳細にチェックできないかな?」と思っていたら、何と2日後に意外な所で再開しました。
その場所はタイからクルマで4時間半走ったブリラム県にあるチャーン・インターナショナル・サーキットでおこなわれた25時間耐久レース「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」のピットです。
このレースにはアジアの人にもカーボンニュートラルの選択肢を伝えるべく、水素エンジン搭載のGRカローラとカーボンニュートラル燃料を使うGR86が参戦していますが、そのレースのセーフティカーの1台がIMV0だったのです。ちなみに現時点で走ることができるIMV0はこのモデルのみだといいます。
日本人的には「なぜ、ピックアップトラックがセーフティカーなのか?」と疑問に感じる人もいると思いますが、タイではハイラックスを用いたモータースポーツが盛んで、この光景は何も不思議ではないのです。
この大胆かつクルマ好きのハートを掴む演出は、今のトヨタらしいところといえるでしょう。
このモデルを見ながら、IMV0を詳細にチェックしていきたいと思います。
エクステリアは平面を組み合わせたかのようなカクカクしたデザインは初代キジャンピックアップを彷彿しますが、ランクルを彷彿とさせるフロントマスクや各部に配されたリブ形状(補強のため?)。
さらににボディ下部やドア周りを覆う樹脂パーツなどにより、シンプルだけど質素ではなくアソビ心を持ったワイルド系のデザインに仕上がっています。
ペースカーはこれに加えてフロント/リアのスポイラーやローダウン(3インチ)、タイヤ(235/45R17)&アルミホイール(LENSO×TRD)などのプラスによりスポーツテイストをプラス。
洗練された最新モデルとはちょっと違う昭和風(?)のレーシングスタイルは、若い人にとっては逆に新鮮に見えるかもしれません。
さらにドアやフェンダーはスチールからFRPに、ウィンドウはガラスからアクリルと軽量化も抜かりなしで、ワンオフモデルとはいえこの辺りの本気度は正直あっぱれという感じです。
インテリアはテストカーらしくワンオフのインパネですが、レース用のデジタルメーターやペースカーに必要な各種装備のスイッチ類、さらにには専用のロールケージやフルバケットシート(ブリッド)&5点式シートベルト(サベルト)などをプラス。
とくにロールケージはキャビン全体をカッチリと囲う本格的な物が装着されています。
ちなみに市販モデルのインパネはこれとは完全に別となります。
実はタイトヨタ60周年式典で流れた映像にチラッと映っており、シンプルなアナログメーターや初代bBを思わせる丸形の空調グリル、さらにユーザーが後からさまざまなアイテムがプラできるようなアタッチメントを各部に用意したシンプルかつ機能的なデザインとなっています。
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