年末年始はクルマのトラブルに要注意! 未然に防ぐ方法は? 冬に起こりがちなトラブル対処法

冬ならではのクルマのトラブルに備えておきたい時期になりました。地域によっては雪や凍結といった事態にも対応できるようにしておきたいところですが、どんなトラブルが起きやすいのか、未然に防ぐ準備、起きてしまった場合の対処法をプロに聞いてみました。

ロードサービス出動上位を占めるトラブルとは

 気温がグッと下がり、冬ならではのクルマのトラブルに注意すべき時期になりました。

 冬に起こりがちなトラブルにはどのようなことがあるのでしょうか。

寒い時期に起こりがちなクルマのトラブルとは?
寒い時期に起こりがちなクルマのトラブルとは?

 全国でロードサービスを展開しているJAFの統計によると、2021年冬の一般道での出動要請理由は、例年と変わらずバッテリートラブル、タイヤのトラブル、落輪・落込などが上位となっていて、合わせて全体の6割強を占めました。

 高速道路での出動要請は、タイヤのトラブルや事故に加え、燃料切れなどが多いといいます。

 とくに年末年始はクルマで出掛ける機会も多く、トラブルが起こりがちです。どのようなトラブルに注意すべきなのか、神奈川県の整備工場に勤務するH整備士に聞いてみました。

 まずはもっとも多いトラブルとして挙げられているバッテリーですが、なぜ冬に不具合が起きやすいのでしょうか。

「冬にバッテリーの電圧が下がる原因は、外気温が考えられます。通常の鉛バッテリーにはバッテリー液が入っており、気温が下がれば液体の温度も下がります。そうなるとオルタネーターで発電された電気を充電する効率が著しく低下してしまいます。

 それに加えてエアコンなどの使用で電力消費が増えることから、蓄電量が不足した状態となったバッテリー上がりが起きてしまうんです。

 とくに冷え込みが厳しい早朝や深夜などはバッテリーの能力が下がりやすくなるので、電圧の低下などがないかチェックしておくと良いと思います」

 最近のヘッドランプはLEDが増えていているのでヘッドライトの明るさでは判断しにくくなっていますが、エンジンの始動性が悪化したり、ルームランプが暗く感じる、パワーウインドーの開閉速度が遅いと感じたりする場合は、バッテリーが弱くなっている可能性が高いそうです。

 手軽にできるバッテリー上がりへの対策方法はあるのでしょうか。

「クルマを停めているのが自宅、または駐車場で電源が確保できるのであれば、バッテリー充電器でバッテリーを充電しておくのも良いでしょう。

 最近はフル充電すると自動で過充電を防ぐ機能が搭載されているものも多いので、駐車場に停めたらバッテリー充電器をつないでおくというのも冬対策の有効な手段だと思います」(H整備士)

 しかし、トラブルというのは予期せぬときに起きるもの。電源を確保できない出先などでバッテリー上がりしてしまうこともあり得ます。

「そういった心配がある人は、とりあえずエンジンが始動できるジャンプスターターを常備しておくのがおすすめです。

 以前は、エンジンがかかったクルマのバッテリーとつなぐことで電源をお裾分けしてもらえるジャンプケーブルが一般的でしたが、最近ではモバイルバッテリーを内蔵したジャンプスターターが普及してきました。

 これなら周囲に協力をお願いできるクルマがいなくても、本体をつなぐだけでエンジンが始動できます」(H整備士)

 バッテリーの次に多いタイヤのトラブルですが、気温の低下とともに空気圧も不足し、タイヤがよれてしまうことがあります。タイヤに関して事前にできる対策はあるのでしょうか。

「もともとタイヤの空気は徐々に抜けていくものですが、気温が下がると空気圧の低下が早まります。

 そうなるとタイヤがたわんで変形してしまうことで、真っ直ぐ走れなくなったりステアリング操作に違和感が出てきたりするだけでなく、最悪の場合はタイヤのパンクを引き起こしてしまうこともあるんです。

 違和感を覚えるようなら、ガソリンスタンドで給油するついでにタイヤの空気を補充しておくと良いでしょう」(H整備士)

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