今のクルマは価格が高いってホント?「GT-R」や「ロードスター」など人気車多数登場の1989年と比べてみた
本格四駆の価格はどう変化した?
●トヨタ「ランドクルーザー」
その高い走破性と耐久性、信頼性から陸の王者と称えられるトヨタ「ランドクルーザー」が2021年にフルモデルチェンジしました。
「300系」と呼ばれる現行型はデビューするやいなや世界中で人気を博したうえに、半導体不足などによる生産の遅れによって、日本では納車5年待ちという異常事態になり、2022年7月から受注をストップしています。
それだけに「すぐに手に入る」中古車の相場が高騰。新車価格が510万円(GX)から800万円(GRスポーツ・ディーゼル)にも関わらず、中古車は1100万円から2000万円と倍以上の値段が付けられています。
一方、1989年のランドクルーザーは、10月のモーターショーで「80系」と呼ばれる3代前のモデルが発表されました。実際の発売は翌1990年1月で、当時の新車価格は207万円(STD)から369万円(VXリミテッド)。207万円という低価格に驚くかもしれませんが、現在は設定がないバン(貨物車)登録なうえに4WDもパートタイム式になります。
どちらにも設定のあるワゴンの「VX」グレード同士で比較すると、80系が306万円で現行型が630万円(税抜き価格は572万7273円)。つまり、倍近い価格に値上がりしているのです。
●スズキ「ジムニー」
軽自動車唯一の本格派オフローダーとして、根強い人気を誇るスズキ「ジムニー」。現行型は2018年に登場した4代目で、4年が経過した今も大量のバックオーダーを抱えるヒットモデルになっています。
新車価格は155万5400円(XG)から190万3000円(XC)と、軽自動車のなかでは高価な部類に入ります。
1989年当時のジムニーは2代目の中期モデルで、軽規格の改正(1990年)前のため排気量はまだ550ccでした。ちなみに初期モデルは2ストエンジン、中期モデルから4ストになり、後期モデルは排気量が660ccに拡大されています。
価格は95万6000円(ターボ・バン)から114万9000円(パノラミックルーフバン・インタークーラーターボ)と、現行型に比べるとだいぶ安く感じられますが、当時の「アルト」が49万8000円からだったことを考えると、やはり軽自動車としてはかなり高めだったといえるでしょう。
●ホンダ「シビック」
ホンダのエントリーカーとして、あるいはスポーティなコンパクトハッチとして名を馳せた「シビック」ですが、11代目となる現行モデルは全長4550mm×全幅1800mmと立派なボディにサイズアップしました。
日本においては弟分の「フィット」や軽自動車の「Nシリーズ」の台頭もあり、シビックがミドルクラスに押し上げられた感がありますが、メインターゲットの北米市場では今もホンダのエントリーカーであり続けています。
現行モデルは、日本仕様は5ドアハッチバックのみで2021年に登場。別格な「タイプR(499万7300円)」を除き、新車は319万円(LX)から394万200円(e:HEV)と車格アップに応じたプライスタグが付けられています。
1989年は4代目シビックがマイナーチェンジを受けた年で、「VTEC」が初めて採用されたことが大いに話題になりました。
当時の価格は76万8000円(3ドア・23U)から196万3000円(セダン・RT-Siイントラック)と現行モデルの半値以下。
とくに100万円を大きく下回る23Uグレードの存在が目を引きますが、パワステやパワーウインドウ、カーステレオどころかリア熱線入りガラス(曇り取り)すら装備されないため、実質的にはそこまで安くはありませんでした。
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