今のクルマは価格が高いってホント?「GT-R」や「ロードスター」など人気車多数登場の1989年と比べてみた
新型車が発表されるたびに「クルマの価格が高くなった」といわれますが、本当に高いのでしょうか。名車が多数登場した1989年と現在の新車価格を5台ピックアップして比較してみます。
今のクルマは高い! バブル期はどうだった?
新型コロナウィルスの流行やロシアによるウクライナ侵攻、半導体不足に為替の変動など、さまざまな要因から物価が上昇しています。何かしらの商品が値上げされたことが連日ニュースになるほどで、自動車関連の製品もまた例外ではありません。
といっても、クルマの価格が高くなっているのは今に始まったことではなく、ずいぶん前から新型車が登場するたびに「高い!」という声が必ずといっていいほどあがっています。
安さがセールスポイントのひとつだった軽自動車も、今では多くの車種に200万円を超えるグレードが設定されています。
高い高いといわれる新車ですが、いったいどれぐらい高くなっているのでしょうか。名車が数多く発売されたバブル期の1989年と現在の新車価格を比較してみます。
●日産「GT-R」
日本を代表する日産のスーパースポーツ「GT-R」は、もともと「スカイライン」の1グレードでレースへの参戦を目的に開発されたクルマでしたが、2007年に登場した現行モデルではスカイラインとは異なる独立した車種になりました。
3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、四輪を駆動するスポーツカーの新車価格は、1082万8400円(ピュアエディション)から1788万1600円(トラックエディション エンジニアード by NISMO T-spec)と超高級車レベル。
すでに受注を終了しているため参考までに、2022年モデルの「GT-R NISMO スペシャルエディション」に至っては2464万円と、もはやスーパーカーの値段といっても過言ではありません。
1989年に発売された「スカイラインGT-R(R32型)」は、スカイラインとしては8代目で、GT-Rグレードとしては3代目にあたります。
レースに勝つことを目的に2.6リッターへと排気量を拡大したターボエンジンと4WDを採用したこともあって、スカイラインとしては高額な445万円という車両価格でした。
現行GT-Rの最廉価グレードの税抜き価格にしても984万4000円とR32型の倍以上。スカイラインの名がどうのというレベルではなく、値段的にもまったく違う車種といえるでしょう。
●マツダ「ロードスター」
2シーターオープンのライトウェイトスポーツであるマツダ「ロードスター」は、現行モデルは2015年に登場した4代目となり、スポーツカー不遇の時代ながら順調なセールスを記録しています。
現在の新車価格は268万9500円(Sグレード)から342万2100円(RSグレード)。一方、1989年に「ユーノス」ブランドで発売された初代は170万円のベースグレードのみの設定で、ほかにはオプション装着車が用意されるというラインナップでした。
初代のベースグレードはパワステもパワーウインドウも未装着なため、それらが含まれるパッケージオプションのスペシャルパッケージ装着車(185万円)と、ようやく現行の最廉価グレードS(268万9500円)に近い装備になります。
その差額は83万9500円といいたいところですが、現行の価格は消費税込みの内税価格で、初代の価格は外税。初代と同じように税抜の車両本体価格にすると、現行は244万5000円になります。
現行型には先進安全装備やディスプレイオーディオが備わるため単純比較はできませんが、23年前より60万円ほど高くなっています。
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