トヨタの本気見えた!? 新型「ハイラックスEV」の底力に驚き! 世界最速試乗で感じた凄さとは

トヨタは2022年12月14日に「ハイラックスレボBEVコンセプト」を世界初公開しました。ラダーフレーム車のBEVですが、どのような乗り心地なのでしょうか。世界最速で試乗してみました。

まさかのワールドプレミア4日後に世界最速試乗!

 トヨタのタイ法人であるタイトヨタの創立60周年記念式典でサプライズ発表された1台が「ハイラックスREVO BEVコンセプト」になります。
 
 商用車ベースの電気自動車(BEV)ですが、どのような特徴があるのでしょうか。

こりゃ速いぞ! 世界最速試乗で驚いた「ハイラックスレボBEVコンセプト」の実力とは
こりゃ速いぞ! 世界最速試乗で驚いた「ハイラックスレボBEVコンセプト」の実力とは

 正式発売は1年以上先と現時点ではコンセプトレベルと思いきや、開発を担当したトヨタ ダイハツ エンジニアリング&マニュファクチャリングの社長兼エグゼクティブチーフエンジニアの小西良樹氏は「完成度は95%、つまり量産直前のクオリティを持つモデルです」といいます。

 その証拠に、その週末にブリラム県にあるチャーン・インターナショナル・サーキットで開催された「IDEMITSU 1500 SUPER ENDURANCE 2022」のイベント会場でメディア向けにデモ走行が実施されました。

 その風景を「いいなぁ……」と指をくわえて見ていると、ハイラックスの開発を担当するCVカンパニーのプレジデントである中嶋裕樹氏が「それならば、試してみますか??」という嬉しいお誘いが。お言葉に甘えて世界初の詳細なインプレッションです。

 ベースとなるのは「IMV I」と呼ばれるシングルキャブの後輪駆動モデルになります。

 エクステリアは特徴的なヘキサゴングリルから小さめの開口部を持ったグリルレス風のデザインへと変更されたフロント周りと大径化されたタイヤ(ダンロップ・グラントレック:265/50R20)と専用アルミホイール(光輝タイプ)。

 インテリアはシンプルなアナログ式からフル液晶メーターとシフトレバーからシフトダイヤル(bZ4Xと同じデザイン)。

 レバー式から電子式に変更されたパーキングブレーキがレイアウトされるセンターコンソール周りとベース車からの変更点は僅かですが、明らかに「ベースのハイラックスとはちょっと違うよね!!」と感じさせるオーラを持っています。

 個人的にはハイラックスの質実剛健さとBEVの先進性が「違和感のない違和感」で融合されていると感じました。

 メカニズムはどうでしょうか。

 ボンネットを開けると補器類のみで、駆動用モーター(bZ4XのFFモデル用:150kW/260Nm)はベース車のリアアクスル付近に搭載されています。
 ただ、ベース車と同じ車軸式のサスペンションでこれをやるとバネ下重量が大幅に増加してしまうため、リアサスはド・ディオン式に変更されています。

 ド・ディオン式とは「デフを車体側に固定してサスペンションだけを動かす」という考え方は独立式に近いですが、左右のハブは車軸で繋がれているため車軸式に分類されます。

 ちなみに一般的にはリーフスプリングを用いたモデルで「eアクスル」をバネ上に搭載となると、必然的にこの形式になるといい、三菱「i-MiEV/ミニキャブMiEV」もド・ディオン式です。

 開発を担当したリージョナル・チーフエンジニアのJurachant Jungusuk Ph.D氏に話を聞くと「開発初期は車軸式や独立式もトライしましたが、ハイラックスにふさわしい走行性能/積載性能のバランスが取れませんでした。そこでトヨタ初となるド・ディオン式を新規に開発しました」と教えてくれました。

 バッテリーはフレームの間にレイアウトされていますが、フレーム構造を活かしたままということで「カセット式」と呼ばれるブラケットを介して搭載。

 バッテリーの容量は公表されていませんが、試乗前にメーター内に表示される残り航続距離を見ると206kmと表示されていました。

 ちなみに筆者の試乗前に何度も全開走行のデモをしていたので、それを踏まえると恐らく航続距離は250kmから300kmくらいじゃないでしょうか。

 試乗時間は短いので、いきなりアクセル全開です。

 積載ゼロで空荷状態ですがホイールスピンすることなくスーッと滑らかに加速をしていきます。

 BEVの強みであるアクセル操作に対する応答性の良さはいわずもがな、加速力はbZ4XのFFモデルより強めで「おっ、速いね!!」と感じるレベルですが、体感的にはモリモリと湧き出る力強さというよりも、穏やかだけどヌメーっとした粘りのあるトルク感が印象的でした。

 例えとして正しいか解りませんが、静かで滑らかな大排気量NAディーゼルのような特性かなと。

 ゆっくり走らせているときのアクセルコントロールは操作に忠実ですが加速の立ち上がりは穏やかなので、悪路などでの微速でのコントロールも楽じゃないかなと予想できます。

 比較用に2.4リッターターボ(150ps/400Nm)+6速ATモデルにも試乗させてもらいました。

 恐らくそれだけ乗れば十分満足な性能を持っていますが、乗り比べてしまうとアクセルを踏んでからの「ヨッコラショ」と1テンポ遅れて動きだす感覚やピーキーな過給特性などは気になってしまいました。

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