「ブゥン」と減速! クルマの「エンブレ」どう活用? 間違えると悪影響も! 推奨される場面とは
使いすぎはNG!? でも積極的に使ったほうがいい場面とは
エンジンの回転抵抗を利用したエンジンブレーキ。一見すると、フットブレーキよりも活用したほうが良いようにも思えますが、多用することでクルマに対してどのような影響はあるのでしょうか。

自動車整備士は以下のように説明します。
「エンジンブレーキを使用すること自体には、クルマにとって問題にはなりませんが、負荷のかけ方によっては悪い影響をもたらします。
たとえば、速度がかなり出ているときに低すぎるギアにシフトダウンしてしまうと、エンジン回転数が急激に上昇するため、クルマへの負荷は大きくなります。
とくに、エンジンブレーキを使うたびにギアチェンジがおこなわれるため、トランスミッションに負荷がかかります。故障すると、数十万円の費用が発生することもあります。
フットブレーキは一般的にブレーキパットやブレーキディスクが消耗される程度なので交換費用は数万円程度ですが、トランスミッションの故障のことを考えると、エンジンブレーキの使用が積極的に推奨されるようなシチュエーション以外では、あまり過度に使いすぎないほうがいいと思います」
エンジンブレーキの使用自体には特段影響はないようですが、使用方法を誤るとクルマに対し悪影響をおよぼすリスクもあるというエンジンブレーキですが、どのような状況で活用するのが有効なのでしょうか。
エンジンブレーキの活用が推奨されるケースとして、長い下り坂や連続する下り坂を走行する場合が挙げられます。
下り坂でフットブレーキを多用しすぎると、ブレーキが熱を持ってしまい性能が低下する「フェード現象」の発生や、ブレーキの熱がブレーキフルードへと伝わり沸騰して気泡が発生する「ベーパーロック現象」が起こるためです。
このような事態を避けるために有効なのが、エンジンブレーキです。
フットブレーキの作用とは関係なく、エンジンの回転抵抗により減速できます。
峠道や山道など、下り坂が連続する区間や、高速道路の長い下り坂では「エンジンブレーキ使用」「低速ギアにチェンジ」「エンジンブレーキ併用せよ」などの警戒標識が設置されていることもあります。
※ ※ ※
このようにエンジンブレーキは、フットブレーキのように平坦な街中や高速道路などで常時使うことは推奨されませんが、急な坂道が連続しフットブレーキの負荷がかかるような状況では、補助する役割としてエンジンブレーキを有効活用することで、安全運転につながります。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。















