「東京にはもうない!?」旅先で見かける「小型/中型タクシー」区分なぜ消えた?
東京のタクシーがかつて「中型車」を好んでいた理由とは
東京ハイヤー・タクシー協会によれば、2020年3月現在、東京都内に存在する事業者の数は約400社、法人タクシーが約3万台、個人タクシーは約1万台あります。
しかし、このなかには小型車は存在しません。では、なぜ東京には小型タクシーが走っていないのでしょうか。
その理由について、タクシーメーター・ドライブレコーダー・LED表示器の販売・取り付けのほか、中古タクシーの販売も行うフタバシステム株式会社 松田 隆氏に聞いてみました。
「実は2007年まで、東京には小型車のタクシー制度は残っていました。錦糸町駅・新宿駅・蒲田駅などのターミナル駅には、小型車専用乗り場もあったそうです。
かつては、タクシー会社側にも行政から一定数の小型車を保有する指示があり、ごくわずかですが、小型車を保有していました。
しかし東京のタクシーでは、埼玉県や千葉県、神奈川県といった隣接県まで足を伸ばす、いわゆる『ロング客』が多く、小型車よりも車体が大きくて車内が広い、中型車の快適性が重視されました。
そのため事業者も、小型車を買う必要が生じにくかったのではないかと思います。
小型車の台数が少ないと、料金を分けたり、車種を区分するメリットもあまり無く、全国に先駆けて小型車(普通車)のみに一本化することになったのではないでしょうか」
なお、東京では小型タクシーは廃止されましたが、小型タクシー用のコンフォートやクルーを一部の事業者が継続使用し、2022年時点でもごくわずかながら活躍を続けていることが、SNSなどから確認できます。
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前出の松田氏によると、東京の法人タクシーは買い替えのペースが早く、その後は地方の事業者に中古車として譲渡される機会も多いとのこと。
走行距離的には30万から50万キロ以上の個体ですが、JPN TAXI導入まで主流だったトヨタのコンフォート/クラウンコンフォートはまだまだ走れるとのことです。
事業者によるたゆまぬメンテの賜物もありますが、タクシー専用車として設計された同車の耐久性が、ずば抜けて高い証拠ともいるでしょう。
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