「東京にはもうない!?」旅先で見かける「小型/中型タクシー」区分なぜ消えた?

小型車と中型車を統合し「普通車」とする地域が増加中

 九州・四国地方や東北地方・北海道など、いまも主力が小型タクシーというエリアがある一方で、中京圏や近畿地方・中国地方などのように、小型車と中型車の統合を行って「普通車」とする地域も着実に増加しています。

 小型タクシーの台数は、近年減少する傾向にあるのです。

かつての「中型タクシー」は前席3人掛けのベンチシート/コラムシフトタイプが主流で、乗員含め6人乗りが可能だった[画像は日産「グロリア 4ドアセダン スタンダード」(Y30型/1985年)の車内]
かつての「中型タクシー」は前席3人掛けのベンチシート/コラムシフトタイプが主流で、乗員含め6人乗りが可能だった[画像は日産「グロリア 4ドアセダン スタンダード」(Y30型/1985年)の車内]

 小型タクシーが減少した理由のひとつとして、近年のタクシー車両は小型・中型車どちらも乗務員1名+乗客4名の5名乗りだという点が大きく影響します。

 昭和の時代では主力だった、フロントベンチシートで合計6人が乗れる中型タクシー車両はほぼ消滅してしまい、小型車と中型車の違いがあまりなくなったことも関係しているのです。

 このような理由から、近年は多くのエリアで区分が普通車/大型車/特定大型車の区分に切り替わり、その線引きも従来とは異なる内容となっているほか、地域によってもその詳細は異なります。

 東京の例では、排気量2.5リッター以下/乗車定員8名以下を普通車と定め、2.5リッターを超えるもの(ディーゼル除く)で、乗車定員8名以下のものが大型車となります。

 例えば同じトヨタ「アルファード」であっても、2.5リッターハイブリッド車と3.5リッター車のタクシーでは、普通車と大型車で区分や料金すら変わってくるという訳です。

 さらに関西圏のように、府県やエリアごとにその区分けが細部で異なるケースも散見されます。

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