「軽EV」大ヒットで「トヨタ」「ホンダ」も追従!? 中国資本も参入で競争激化へ! カギは「電池のコスト」

大ヒット作「N-BOX」をもつホンダは軽EVでどうする!?

 こうした状況に対して、ベストセラー「N-BOX」を擁するホンダはどう対抗するのでしょうか。

 ホンダは2022年4月3日、「四輪電動ビジネスの取り組みについて」という発表の中で、日本市場向けでは2024年前半に商用の軽EVを100万円台で投入し、その後にパーソナル向け軽EVや、SUVタイプのEVを適時投入する予定だとしています。

2010年に世界初の量産EVとして発売された日産「リーフ」の車載バッテリーは日産とNECの共同出資会社「オートモーティブエナジーサプライ(AESC)」(当時)で開発されたもの
2010年に世界初の量産EVとして発売された日産「リーフ」の車載バッテリーは日産とNECの共同出資会社「オートモーティブエナジーサプライ(AESC)」(当時)で開発されたもの

 ホンダ軽EV用の電池については、中国のエンビジョンAESCから調達することも明らかにしています。

 エンビジョンAESCはもともと、日産がNECトーキンと連携し「リーフ」用電池の開発製造メーカーとして立ち上げた会社「AESC(オートモーティブ・エナジー・サプライ)」を中国のエンビジョングループが買収し、現在に至っています。

 当然ですが、エンビジョンAESCとしてはCATLをライバル視していますから、かなりのコストダウンによって、100万円台のホンダ商用軽EVを実現できるような電池開発を着々と進めていることになります。

 こうした電池業界の競争によって、電池コストが下がっていくと思われるなかで、スズキがいつ、軽EV導入を正式に表明するのかが気になるところです。

 スズキはすでにインド市場でトヨタと連携したEV開発・生産に着手するなど、電動化戦略についてはトヨタとの関係を深めているところです。

 そうなると、トヨタグループのダイハツとも電池ではCATLを共有することで、スズキとダイハツ双方にとっての量産効果を狙う戦略に打って出ることも考えられるはずです。

 このように、今回発表されたダイハツとCATLとの連携は、日本の軽市場と小型車市場のEVシフトを加速させる大きな要因になることは間違いなさそうです。

※ ※ ※

 ただし、EVシフトで最も重要なことは、自動車メーカーや自動車販売店による供給サイドの目線ではなく、充電インフラのみならず、EVを受け入れるための「社会のあり方」が最優先されるべきだと思います。

 そうした大きな社会変革に向けた国や自治体での議論は、まだ始まったばかりです。

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(左)日産 サクラ/(右)三菱 eKクロスEV

Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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