マツダが「名前を変えた」!? モータースポーツ活動が新たに名乗る「マツダスピリットレーシング」の狙いとは

カーボンニュートラル対応のひとつとして「モータースポーツ」を活用

 ところが、予期せぬ出来事が起きました。

 それが、欧州を中心にグローバルで急激に進んだ、クルマに対するカーボンニュートラルへの対応です。

次世代バイオディーゼル燃料を使用し2022年スーパー耐久レースに参戦した「MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO」
次世代バイオディーゼル燃料を使用し2022年スーパー耐久レースに参戦した「MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO」

 欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会が2021年7月、欧州グリーンディール政策の中で「2035年、乗用・小型商用の新車100%を事実上EV(または燃料電池車)化」を提案。

 これを受けて、ドイツのメルセデス・ベンツが「市場環境が整えば、グローバルで2029年までに新規発表の新車100%EV化」を公表するなど、自動車産業界に急速なEVシフトという激震が走りました。

 こうした社会情勢に対して、日本の自動車メーカーや二輪車メーカーで構成される業界団体・日本自動車工業会では「カーボンニュートラルに向けた考え方は、EVシフトのみならず、ハイブリッド車、水素燃料車、次世代ディーゼル燃料車など様々な方法を、国や地域の社会状況に応じて対応していくべき」という見解を示したのです。

 この考え方をもとに、新しい環境技術の研究開発を一般公開するような形で、トヨタ、マツダ、スバル、日産がスーパー耐久シリーズのST-Qクラスで各メーカーの本社のワークスチームという体制で参戦しているところです。

 マツダとしては、こうしたカーボンニュートラル対応の事業戦略のひとつとしても、マツダスピリットレーシング活動をフル活用して、マツダ独自の次世代バイオディーゼル燃料の技術を高めると同時に、より多くの人に次世代バイオディーゼル燃料の有効性を理解してもらおうとしているのです。

 このように、マツダスピリットレーシングはモータースポーツ活動としてマツダ本社が主導する事業活動であるため、マツダ本社がマツダの関連企業など連携することで進めていたマツダスピードという事業形態とは、根本的な違いがあります。

 そのため、いまおこなっている一連のモータースポーツ活動をマツダスピリットレーシングとして統一しているのです。

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2件のコメント

  1. 近年は「MAZDA SPRIT RACING(マツダスピリットレーシング)」として、

    SPRIT→SPIRITですよね?

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

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