2022年11月9日、ドイツの高級自動車メーカー「ポルシェ」は米国・ロサンゼルス オートショー（LAショー2022）にて、新型「911 ダカール」を2022年11月16日に発表すると公表しました。

　公開された画像では、砂漠を走る“リフトアップされた911”が映し出されていますが、新型911 ダカールとはどのようなクルマなのでしょうか。

　ポルシェは、ドイツの「フォルクスワーゲングループ」に属する高級自動車メーカー。その昔は、スポーツカーを中心に展開しておりましたが、2002年にSUVの「カイエン」がデビューし、7年後の2009年にはセダンの「パナメーラ」が登場するなど、現在ではさまざまなボディタイプを展開するようになりました。

　そんななかでも、「911」はポルシェを代表するスポーツカーで、現行型は2018年に登場した8代目モデルとなる992型です。

　今回、LAショー2022にて発表されることとなった新型「911 ダカール」は、同社初の卓越したオフロード性能を備えた2ドアスポーツカーです。

　モデル名にある“ダカール”とは、1984年、ポルシェが初めて全輪駆動システムを搭載したポルシェ911をベースにしたラリーカーで、パリ・ダカールラリーで初総合優勝を果たした歴史にちなんでいます。

　詳しいスペックは未だ公開されていませんが、新型911 ダカールの開発チームは、1万キロ以上のオフロードを含む、砂漠や氷上など、極限状態で50万キロ以上の走行テストをおこなったといいます。

　新型911 ダカールをドライブした、ポルシェのワークスドライバー「ロマン・デュマ」氏は、次のようにコメントしています。

「ラリーコースで（スポーツカーの）911を走らせることに、当初は戸惑っていた。しかし、その驚きはすぐに911ダカールのオフロード性能への賞賛へと変わった。

　堅牢な設計と高められた最低地上高のおかげで、ジャンプさえもシャシーには問題ない。同様に、ドリフトも見事にこなした。

　911が公道でどんなことができるかは知っていましたが、この車がオフロードでどれだけ優れたパフォーマンスを発揮するかには、まったくもって驚かされました」

　また、ポルシェのブランドアンバサダーである「イェルク・ベルクマイスター」氏も次のようにコメントしています。

「これだけの地上高とオールテレーンタイヤを持つ車両が、アスファルトの上でも通常の911と同様なフィーリングを得られるとは思いませんでした」

　さらに開発ドライバーの「ラース・カーン」氏も、次のようにコメントしています。

「最初はマシンを限界までプッシュする勇気がなかったんです。でも、緩い路面でのハンドリングにはとても満足しています。
ABSもグラベルでのブレーキングに最適化され、オフロードタイヤのトラクションの高さにも驚かされます。運転するのが楽しくなるクルマです」

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　新型911 ダカールは、スポーツカーである911の車高を上げオールテレーンタイヤを装備したクロスオーバーモデル、いわゆる“SUV化”したスポーツカーといえそうです。

　イタリアの高級自動車メーカー「ランボルギーニ」も同様に、同社が展開するスーパースポーツカー「ウラカン」を“SUV化”した「ウラカン ステラート」を12月にも発表する予定だと報じられています。

　世界的なブームとなったSUVですが、今後も911やウラカンのようなスーパースポーツカーをSUV化したクロスオーバーモデルが新たなトレンドとなるかもしれません。