わずか3分でクルマが盗まれる!? 車両盗難の手口が巧妙化! 愛車を守る効果的な対策はある?
“盗みづらいクルマ”は窃盗犯に嫌がられる
数々の手口でスキを狙う窃盗犯から愛車を守るには、一体どうすれば良いのでしょうか。都内の中古車販売店の元スタッフMさんは次のように話します。
「正直いって、プロの窃盗犯に本気で狙われたらまず防ぐ手はありません。
最近は単独犯ではなく組織的な犯行で緻密な計画を立てて狙ってくるので、『狙われないようにする』というのが一番の盗難対策なんです」

近ごろは中古車販売店を狙った大がかりな窃盗事件も多く、個人オーナーだけの問題ではないとMさんはいいます。では、狙われないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
「簡単にいえば『このクルマを盗むのは面倒そうだな』と思わせることです。
相手も人間ですから、「盗むのに時間がかかりそう」なクルマは捕まるリスクが高くなり、よほど商売的にオイシイ車種なら別ですが、そうでなければ彼らの候補から外れるはずです。
『ハンドルロック』や『タイヤロック』などは、実際の効果はさておき、視覚的に面倒なことが伝わるので良いと思います。
あと『ボディーカバー』は面倒なうえに車種をわかりにくくさせる効果があります。
逆にいえばカバーをめくった形跡があったら、窃盗犯にチェックされている可能性があるので要注意ということです」(中古車販売店の元スタッフMさん)
意外にも昔からある盗難防止用品が今でも効果的なのだそう。また、外出先でなく自分の駐車場なら「センサーライト」や「防犯カメラ」を設置するのも、窃盗犯に犯行を断念させる期待できるとのことです。
「今はさまざまなカーセキュリティ用品があり、異常を検知して警報音を鳴らすものやスマホなどに通知してくれるもの、ドライブレコーダー連動型や位置情報がわかるGPSなど、どれも優秀です。
さらにひとつの対策で安心するのではなく複数のアイテムを組み合わせることが大切です」
ただし粗悪な製品は誤作動が少なくなく、あまりに頻発すると使わなくなってしまいます。
そうならないためにもカー用品店などに相談して、ちゃんとした製品を選ぶのが正解です」(中古車販売店の元スタッフMさん)
セキュリティにこだわり、実際にカーアラーム(防犯ブザー)を使用したIさんは、次のような失敗をしたといいます。
「激安で購入した振動センサータイプの製品を装着したら、深夜に誤作動で警報音が鳴り出してしまったんです。
駐車場が自宅から少し離れていることもあってすぐに音を止められず、ご近所に迷惑をかけてしまい、それがトラウマになってしまって今は使っていません」
そんなIさんが盗難防止に現在活用しているのはアップルの「エアタグ(Air Tag)」なのだそう。
「本当は警備会社と契約するのがベストなんでしょうが費用を考えると難しく、そこでエアタグをクルマに装着して位置情報を確認できるようにしています」
エアタグはUWB(超広帯域無線)を活用し、近くにあるアップル製品(iPhoneやiPadなど)と連携することで位置情報を得て発信するデバイス。ゆえに近くにアップル製品がない場合は位置情報が更新されなかったりするため、GPSほどリアルタイムではありません。
また、ストーカー防止のためにエアタグと連携したアップル製品には「エアタグがある」という通知が表示され、もし犯人がアップル製品を利用していたら存在がバレてしまう可能性があります。
そもそもエアタグは盗まれた後に役立つもので、盗難を未然に防ぐという点ではほとんど意味がありませんが、電池も1年以上もつようですし、4780円(2022年10月末時点)という安価なこともあり、盗難されたクルマの居場所を探すのには一定の効果が期待できるようです。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

















