東京・京都とは違う…なぜ大阪の道路に「筋」と「通」が存在? 歴史的背景とは
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また、神戸では大阪のような「筋」が一般的に用いられています。
元町駅南部の旧外国人居留地周辺では、京町筋や浪花町筋、江戸町筋といった「筋」が南北を貫き、仲町通や前町通、海岸通といった東西を走る「通」と交わっています。
それぞれの「筋」は大阪のものほど長くはありませんが、その地域で重要な役割を担っています。
ただ、歴史的に見れば神戸に「筋」ができたのは近代になってからのことで、大阪の街づくりを参考として整備されたものであるようです。
一方、同じく「碁盤の目」のように構成されている京都や札幌では、「筋」という呼び方はほとんど見られません。
京都の場合、古くから「大路」と「小路」という呼び方がなされてきたこと、札幌はその京都を参考にして街づくりをおこなったことが理由と言われています。
このような歴史的背景もあり、現在では大阪と神戸の一部でおもに用いられている「筋」ですが、それ以外の地域でも日常会話のなかに見ることができます。
大阪や神戸に限らず、道を説明する際に「大通りから一本入った筋を?」といった表現が使われることがあります。
この場合、「筋」とは「大通り」よりも小さな道路というニュアンスを含みますが、これは前述の通り、「筋」が「通」を補完する役割を担っていた名残と考えられます。
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東京をはじめとした現代的な計画都市の多くは、複数の環状線とそれをつなぐ放射状の幹線道路によって構成されており、「碁盤の目」のような都市がつくられることはめずらしくなってきています。
そのため、「筋」が新たに登場する可能性は低いのかもしれません。
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