三菱が初公開した「新型SUV」に名車の面影!? “親しみやすさ”武器の新型「デリカミニ」2023年登場へ
2022年11月4日、三菱は新型軽スーパーハイトワゴン「DELICA MINI(デリカ ミニ)」を先行発表しました。東京オートサロン2023で実車披露したあと、2023年初夏に発売する予定だといいます。
往年の人気軽SUV「パジェロミニ」を思わせるネーミングの共通項とは
本格的な走破性を誇る軽SUVのスズキ「ジムニー」と並び、かつて根強い支持を集めていたライバル車が三菱「パジェロミニ」でしたが、2013年に惜しまれつつ生産を終えています。
そんななか、パジェロミニの名をほうふつとさせる軽SUVのニューモデル「デリカミニ」が2023年に誕生するといいます。どんなクルマなのでしょう。
2022年11月4日、三菱は新型軽自動車「DELICA MINI(デリカミニ)」を初公開しました。
2023年1月開催予定のカスタムカーイベント「東京オートサロン2023」でお披露目したあと、2023年初夏に発売するといいます。
デリカといえば、1968年の初代モデル登場以来半世紀以上に渡って続く、三菱車のなかでも特に長い歴史を持つネーミングです。
現在は、SUVの走破性とミニバンの居住性を両立させたクロスオーバーミニバン「デリカD:5」にその名が継承されています。
新型デリカミニは、そんなデリカD:5のオールラウンド性を受け継いだ新型軽スーパーハイトワゴンとなります。
軽SUVという意味ではパジェロミニとの共通性もみられますが、“デリカ”と名乗るだけに、その成り立ちは大きく異なります。
後席側にスライドドアを備える(とみられる)軽スーパーハイトワゴンという成り立ちや、ボディ全体のフォルムからみて、2020年3月に登場した「eKクロス スペース」をベースに、大幅なデザイン変更を実施したものと推察されます。
ただし現行型eKクロス スペースも、SUVのテイストを盛り込んだ独自のコンセプトを特徴とする軽スーパーハイトワゴンです。
使い勝手に優れた広い室内空間をもち、ファミリー層を主なターゲットに開発されました。
三菱のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」をもとに開発されたデリカD:5をそのまま軽サイズに小型化したかのように、メッキパーツも多用された迫力あるデザインが個性的です。
その意味ではeKクロス スペースもまさに“デリカミニ”と呼べるものでした。
対する新型デリカミニも、ダーク系のシンプルなグリルや、立体的なDELICAロゴやスキッドプレート風の装飾を加えた力強いバンパー形状などと組み合わせ、タフ感を強調させるという方向性は共通しています。
しかしヘッドライトユニット内に個性的な半円状のLEDポジションランプを配置し、どこか愛らしい雰囲気も兼ね備えているのが新型デリカミニ独自の個性といえます。
11月4日に開催された新型デリカミニのオンライン説明会で、開発責任者である三菱の商品戦略本部 藤井 康輔 CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)は次のように話します。
「軽のユーザー層やサイズ感を考え、デリカミニのデザインは“親近感”を重視しました」
これまでのeKクロス スペースの力強いフロントマスクが、女性ユーザーも多い軽ユーザーからはあまり支持されていなかったことを暗に示しているようにも感じられます。
また藤井CPSは、そのネーミングについて「(デリカD:5の弟分として)『デリカD:1』の名も検討しました。
(往年の)パジェロミニを意識しなかったかといえば嘘になりますが、どうやったら身近な存在となるか考えたときに、愛着をもたれる“MINI”の響きに決めました」といった主旨の発言をしています。
このように新型デリカミニは、これまで以上に親しみやすさや愛着といったキーワードをかなり強く意識していることがわかります。
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11月4日現在、発表されたのは外観の写真数点のみで、詳細なボディサイズや内装などはまだ明らかにされていません。
またSUVを得意とする三菱ならではの四輪駆動の機能や走破性といった性能面についても不明なままです。
三菱では、新型デリカミニの詳細については、正式発売に向けて今後徐々に発表していくとしています。
なお現在販売されている「eKクロス スペース」が今後販売終了となるのか、あるいはこのまま併売されるのかについて、藤井CPSは「現時点ではお答えできない」とし、明確な回答を避けました。
デリカD:1やろ~!