ホンダのHV車ばかりが日光「いろは坂」で故障相次ぐ!? 紅葉渋滞の名所でなぜトラブル続出に?
「i-DCD」車に代表される「乾式DCT」搭載車ユーザーは今いちど注意を!
もっといえば、登り坂で止まっている際、ブレーキでなくアクセルをホンの少し踏んでいるような乗り方をすると、マニュアルミッションでずっと半クラッチをしているのと同じ状態になります。
当然ながらクラッチ板がオーバーヒートしてしまい(乾式だとオイルで冷やせない)、最悪、焼き付いてしまうのです。
いろは坂でエンコしたホンダのハイブリッド車は全てこの状況に陥ったと考えていいでしょう。

登り坂で極端に遅い速度をキープしようとしたら、かなりの確率でトラブルに見舞われます。この点、ホンダも十分認識しており、取り扱い解説書にもしっかり明記してあります。
実際、普通にスタートしクラッチ繋がったままで登り坂を走っていれば、問題も起きなかったはずなのです。
一方、30日は日曜日で紅葉のピークとも重なり、いろは坂通過までに3時間もかかったといいます。そのように速度域も低く、発進停止を頻繁に繰り返すような乗り方をすれば、ホンダの説明書通りのことが起きるという訳です。
参考までに書いておくと、警告灯出てすぐ走行を中断すれば、冷えるのを待って走り出せます。無理して走り続けると焼き付いてしまい、走行不能になります。
同じようなことは、乾式クラッチを使うタイプのフォルクスワーゲン車(DSG)などでも起きています。
湿式クラッチを使うツインクラッチ式でも、温度警告灯が点いたら「なるはや」でクルマ止めてしばらく待つこと。乾式クラッチと登り坂のノロノロ渋滞の相性は最悪と考えておくべきなのです。
本来なら、そんな知識なくても平気なのが乗用車ながら、自分のクルマがどんなシステムを使っているのか知っておく必要があります。
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と、ここまで書いて「まてよ!」となりました。
最近、カーシェアやレンタカーなどの需要が拡大しています。したがって、そういったメカニズムなど全く知らずにハンドルを握ることも増えています。
もちろんそんな場合には、ホンダの説明書だって読む機会すらありません。
繰り返しますが、乗用車は常識的に乗って壊れないように造っておかねばなりません。そこでいうとホンダのi-DCDは、少しばかりマニアック過ぎる機構だと考えます。
ホンダもそこを理解していたからこそ、2020年にフルモデルチェンジした現行型の新型フィットからは、耐久性の高い2モーター式ハイブリッドに変わりました。
もしi-DCDのクルマに乗るのなら、渋滞で同じようなことが起きる可能性大と考えたほうが良いでしょう。
自分のクルマなら十分にシステムを理解し、破綻するような乗り方はしないこと。またカーシェアやレンタカー業者は、i-DCD車を貸すときにしっかり説明しておくべきだと思います。
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。


























































