最近の車はヘッドライトの「バルブ交換」がササっとできない!? 切れたバルブをDIYで換えてみた!
ヘッドライトユニットは取り外すより付け直すほうが難しい
それでは、実際の作業工程をレポートします。
まずは通販サイトで、適合するバーナーを購入しました。色温度は6000Kを選んでいます。
次に、ヘッドライトユニットを取り付けているネジの位置の確認です。これは「車種名 ヘッドライト 交換」などで検索すれば、求めている情報が入手可能。
また、こういったパーツの多くは「トルクス(TORX)」と呼ばれる六角星形のネジを使用しているので、専用の「トルクスドライバー」が必要になります。
かなり狭く奥まった場所にも固定ネジがあったりするので、25cm程度の長さがあるトルクスドライバーを用意しておくと良いでしょう。
ほかに用意したのが、薄手のゴム手袋。エンジンルーム内はさまざまな機器が密集しており、素手だと擦り傷を作りやすいうえにオイルや埃などで汚れています。軍手などでも代用可能ですが、分厚すぎて細かい作業が難しいこともあるので、できればピッタリとしたサイズの薄手のゴム手袋が便利だと思います。
また事前の情報収集で、ヘッドライトユニットに電源を供給するコネクターにツメがついており、マイナスドライバーを活用すれば取り外しやすいとの情報も入手していたので事前に準備しておきました。
さっそくボンネットを開け、交換作業をスタート。まずはヘッドライトユニットの上にある樹脂製カバーをトルクスドライバーで取り外し、切れたバーナーの左側ヘッドライトユニットから取り外しにかかります。
ここでのH整備士からのポイントは「取り外して良いネジと緩めるだけのネジを見極める」こと。場所によっては取り外してしまうと再度付けようとして苦労する箇所も多いのだとか。
幸い筆者は事前にどのネジが緩めるだけなのかまでチェックしていたので、それ以外を順調に外していきます。
固定していたネジを取り外す、または緩める作業が終われば、次はコネクターの脱着です。マイナスドライバーを使ってツメを押し込みながら無事に分離完了。あとは前後に少しずつ動かしながらユニットごと取り外します。
ヘッドライトユニットが取り外せたら、後部にある蓋を開け、古いバーナーを取り出し新しいものに交換。あとは外した順番を逆にたどっていけば完了です。
しかし、ここでちょっとした問題が発生。ヘッドライトユニットを元の位置に戻すのが実はけっこう難しいのです。慌てずにゆっくりと、そして確実に定位置まで戻すのにはある程度動かしてみて、しっくりくるポジションを探す必要があります。
「ポイントは一気に引き抜いたり戻したりするのではなく、ちょっとずつ前後や左右に微調整を加えながら作業することです。
とくにヘッドライトを固定するステーと本体の間にコードやホース類などを挟まないように注意が必要です。また、たいていヘッドライト側に突起があり、ステー側に溝があるので、ここをしっかり合わせて固定しなければいけません」(H整備士)
実際に筆者も、この元の位置に戻す作業に時間がかかりました。無理して見えない部分を破損させたくない思いからかなり丁寧に作業したため10分近くかかりましたが、片側をクリアすれば反対側はコツがつかめているのでもっと早く交換できると思います。
「元の位置に戻したらネジを締め直し固定するのですが、その前にバーナー交換でちゃんと点灯するかを確認してください。バーナー交換で点灯すれば問題解決なのですが、新品を装着しても点灯しない場合もあります」(H整備士)
H整備士いわく、バルブ交換しても点灯しない場合で考えられるのは「ヒューズ切れ」か「リレー・スイッチ類の接触不良」、「ヘッドライトユニット本体の故障」が考えられるそうです。
我々一般ドライバーができるのは、バルブ(バーナー交換)とヒューズ交換くらい。幸いなことに筆者の愛車はバーナー交換で問題なく再点灯しましたが、それでもダメな場合は販売店や整備工場で修理を依頼したほうが確実でしょう。
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ヘッドライトのバルブやバーナーの交換は誰でもできるメンテナンスではあるものの、適応する工具が必要だったり、コツをつかむまでは作業が難航してしまいましたが、無事に交換することができました。
自分でやればパーツ代のみで工賃はかかりませんし、何よりクルマへの理解度がぐんと深まるというメリットもあります。
バルブやバーナーは突然切れることがある消耗パーツですので、これくらいは自分でやってみると良いかもしれません。
オートマチック拳銃の弾倉方式でも、リボルバー方式でも良いですけど、スイッチひとつで新品と差し替えてくれる機構が欲しいですね。
6000K は色温度であって、明るさの単位ではありませんが。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。