「飲酒運転」「認知症高齢者」による事故を防ぐ! 事業者の対象が拡大? 2022年改正道交法の内容とは

「高齢者ドライバー」による事故を防ぐための改正も

 道路交通法2022年の大きな改正のふたつ目は、「75歳以上で『一定の違反歴』のあるものは運転免許更新時の際に運転技能検査などを受験しなければならない」というもので、2022年5月に施行されました。

70歳以上は「高齢者マーク」装着が努力義務として定められている
70歳以上は「高齢者マーク」装着が努力義務として定められている

 死亡事故が減少しているのに対し、高齢者の死亡事故が横ばいで推移している現状を受け、2017年3月に改正された道路交通法では75歳以上のドライバーに対して免許更新時に認知機能検査の実施をおこなうこととなりました。

 認知機能検査で「認知症のおそれがある」と判断された場合は医師の診断を受けなければならず、認知症でないと診断された場合は、70歳から74歳までのドライバーが受講するものと同様の高齢者講習を受けて、免許証を更新することが可能です。一方で、医師によって認知症の診断が下りれば免許が取り消されます。

 2022年はさらに、75歳以上でかつ信号無視や、逆走などの通行区分違反、歩行者妨害などの11項目において一定の違反歴がある人は、認知機能検査の前に運転技能検査を受検することが必要となりました。この運転技能検査に合格しなければ、免許の更新がおこなわれないことになります。

 ただし、対象になる免許は普通自動車のみで、大特、二輪、原付、小特のみの保有者は対象外。不合格になっても、希望により原付免許や小型特殊免許を継続することができます。

 ほかには、大型免許・中型免許・第二種免許の受験資格の見直しがおこなわれました。

 いままでは、大型免許は21歳以上かつ普通免許等保有3年以上、中型免許は20歳以上かつ普通免許等保有2年以上の条件を満たさなければ受験資格が得られませんでした。

 しかし改正後は、特別な教習を修了した19歳以上かつ普通免許等保有歴1年以上が受験対象となっています。

 特別な教習は技能教習31時間、学科教習5時間の36時間受講するカリキュラムとなっています。

 さらに、今後、施行予定の道路交通法改正法案としては、自動運転レベル4の実現に向けた取り組みが実施される見通しです。まずは無人の自動運転移動サービスを都道府県に許可を取る形で開始できる予定となっています。

 また、2022年4月に可決された電動キックボードの免許不要化も改正案が可決されたため、2024年ごろに実用化される可能性が高いことが予想されます。

 現在、電動キックボードは原動機付き自転車と同じ扱いになっており、免許取得やヘルメットの着用が義務化されています。今後は16歳以上なら免許不要で運転でき、ヘルメットの着用も任意となるほか、一部は歩道の走行も可能となります。

※ ※ ※

 近年、目まぐるしく変わる道路交通法のほとんどは、不幸にも発生してしまった痛ましい事故が今後起こらないことを目指して改正がおこなわれています。

 なお、高齢者の「一定の違反歴」に該当する11項目は、2017年改正の18項目から減らされ、指定通行区分違反(直進レーンから左折など)、優先道路通行車妨害、交差点優先車妨害、徐行場所違反、合図不履行(右左折時にウインカーを出さないなど)などが基準外となっています。

 今回基準外となったこれらの違反でも重大事故のリスクはあると考えられ、基準をゆるくする意味があるのかは疑問が残ります。

【画像】高齢者の「一定の違反歴」とはどのようなことを指す? 画像でチェック(8枚)

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