「レバー式」パーキングブレーキ激減!? なぜ「電動式」に置き換わった? もはや懐かしい「ステッキ式」何が良かったのか「パーキングブレーキ」の変遷とは

現代のクルマのパーキングブレーキは、電子化し自動化が進んでいます。今回は、パーキングブレーキの簡単な歴史と、現在の状況をご紹介します。

パーキングブレーキは電動に…そして操作をしなくても自動で作動するように

 現代のクルマはあらゆるものを電動で制御していますが、パーキングブレーキにも、電動化の波が押し寄せています。

 パーキングブレーキを電動化する利点は、ドライバーの力に寄らずパーキングブレーキ制御が出来ること、ドライバーの操作とは別にパーキングブレーキを作動させられることの2つです。

 特に後者は、現在普及しつつあるアダプティブクルーズコントロールとの相性が良く、混雑時に停車を保持する機能を搭載できます。

 ドライバーがパーキングブレーキを操作しなくても停車を維持し、前方のクルマが発進すると自車もパーキングブレーキを解除、発進します。

 操作スイッチはパワーウインドウスイッチにも似た形状で、パーキングブレーキをかける際にはスイッチを引き上げ、解除するときにはスイッチを押し込みます。

先進安全機能に寄与する電動パーキングブレーキ
先進安全機能に寄与する電動パーキングブレーキ

 スイッチの位置は、おおよそがセンターコンソール部分にありますが、ドライバーの右もしくは左側のインストルメントパネルに配置するクルマもあります。

 電動式パーキングブレーキ出現当初は、単にパーキングブレーキレバーがスイッチになっただけのものが多かったのですが、その他の装置と連動させて自動的に制御するようになってきました。

 まず、シフト連動制御です。Pレンジにシフトすると自動的にパーキングブレーキもかかり、パーキングブレーキかけ忘れを防止します。

 また、パーキングブレーキが効いたままDレンジにしてアクセルペダルを踏むと、パーキングブレーキを自動で解除します。

 一部には、運転席ドア連動制御を搭載しているクルマもあります。

 ドライバーがパーキングブレーキ操作を忘れ、車外に降りようとドアを開けた際に自動的にパーキングブレーキをかけます。

 この動作によってパーキングブレーキかけ忘れによる転動を防ぎますが、車庫入れなどの際にドアを開いてバック走行する人には不評のようです。

 そして、電動式パーキングブレーキは万一の際にも有効です。ドライバーの体に万一のことがあり、運転を継続不能になってしまった際に同乗者がスイッチを操作すると、車輪を滑らせることなく停車させる機能があります。

※ ※ ※

 パーキングブレーキの電動化は、間違いなく機械式のパーキングブレーキを駆逐していくことでしょう。

 衝突被害軽減ブレーキの装着は、既に新型車に義務化されています。

 合わせて運転支援装置も搭載することになると、機械式パーキングブレーキは都合が悪くなります。

 安全性の上でもパーキングブレーキの電動化は効果が高く、ますます手動式は不利になるばかりです。

 モータースポーツの分野では、電動式パーキングブレーキを歓迎していないような声も聞こえてきますが、ドライバーやカスタムメーカーがこれまでとは異なるテクニックを生み出していくのではないでしょうか。

 先日登場した「シビックタイプR」でも、電動パーキングブレーキを採用しています。

 EV化など現在自動車業界にはさまざまな変化が起こっていますが、古き良き時代にとらわれず、新しい時代のスポーツドライビングを探す時代になっているのかもしれません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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