なぜ「車速連動ドアロック」は定番装備にならない? ドア施錠の「メリット・デメリット」は? 必須採用されない背景とは
最近のクルマでは見かける機会が増えた「車速連動ドアロック」や「オートドアロック」。一定の速度に達したときにドアを自動的に施錠(ロック)するというものですが、なぜ必須採用されないのでしょうか。
自動でドアロックのメリット・デメリットはどんなところなのか?
「車速連動ロック」や「オートドアロック」などといった、一定の速度に達したときにドアを自動的にロックする機能を備えたクルマが増えています。
このような機能は非常に便利ともいえますが、すべてのモデルに適用されているわけではありません。その理由や背景には何があるのでしょうか。
車速連動ドアロックやオートドアロックなどと呼ばれる機能は、ATシフトを「P」以外にしたときや、15km/hから20km/hなど一定の速度に達したときにドアを自動的に施錠(ロック)するというものです。
こうした機能は目新しいものではなく、じつは1980年代にブームになったこともあります。
当時は、電動による集中ドアロック自体が珍しく、それをアピールするための高級車に限られた機能という面もありました。
しかし、いまやドアロックが手動というクルマもほとんど見ることはなくなっており、軽自動車であってもスマートキーは当たり前となっています。
そのため、オートドアロック機能を装備することは難しいものではありません。
ただし、オートドアロックは賛否両論があり、すべてのモデルが標準装備にするという状況にはなっておらず、メーカーによってもスタンスが異なっているのが現状です。
オートドアロックに対する否定的意見としては「降りるときに、いちいちドアロックを解除するのは面倒」、「交通事故など救助をするときに施錠されているのは問題」、「ドアロックのガチャンという音が気持ち悪く感じる」といったものが代表的なようです。
一方で、「走行中に誤ってドアハンドルを操作しても開かない」、「信号待ちやあおり運転で突然襲われたときに身を守ることができる」といったメリットを挙げる声もあります。
こうして整理するとメリットのほうが少ないようにも思えますが、コーナーで体を支えようとした子どもや高齢者が、誤ってドアハンドルをつかんでしまっても、ロックしてあればドアが開かないというのは、日本のユーザーにとっては大きな安心材料です。
また海外でオートドアロックが普及した背景には、信号待ちなどで物盗りが助手席やテールゲートを開けて何かを盗むのを防ぐという意味があったといわれています。
近年では日本でも、いわゆる「あおり運転」がエスカレートしたことで、クルマを強制的に停止させられ暴力を受けるという事件がありますが、ドアロックして窓をしめていれば身を守ることは可能です。
こうした背景もあって、近年になった隠れたブームとして、オートドアロックの採用車が増えているようです。
実際にドアロック搭載車に対する反響について、国産メーカーの販売店スタッフは次のように話しています。
「ファミリー層から『あると便利な装備』と支持されており、購入検討時の条件として考えているお客さまもいます。
その一方で『スムーズな乗降が出来ない』とやや不便に感じる人もおり、このあたりはお客さまの好みの問題にもなっています」
「Dレンジでブレーキを踏んだまま降りられないのは不便」
いや、危ないだろ。何考えてんだ。
こういう人が、駐車券を取ろうとして車を暴走させるんだろうな。