全面刷新! 新型「クラウン」試乗すると意外なコト分かった? トヨタ社長「賛否があるのはいいこと!」 随所に「クラウンらしさ」隠されていた!
新型クラウンクロスオーバーの内外装はどう進化した?
今回試乗したのは、2.5リッターNA+THSII(シリーズパラレルハイブリッド)のモデルのみ。
注目の2.4リッターターボ+1モーター(デュアルブーストハイブリッド)は暫しお預けです。
エクステリアは従来のザ・セダンから脱却し、クーペシルエットとリフトアップの融合です。
パッと見は大柄に見えますが、実際のサイズは全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm。
「クラウンは全幅1800mmを超えてはダメ」という従来の掟は破られていますが、グローバルで見ると標準サイズです。
タイヤはレザーパッケージが225/45R21、それ以外が225/55R19を装着。実は19インチモデルにはオプションで225/60R18も設定されています。
大型グリルをやめたフロントマスク、面の抑揚で表現したサイドビュー、左右一直線に繋がるヘッドランプ/テールランプなど、「威圧」、「圧倒」とは違った新たな高級車像をアピールしています。
個人的にはフロント/リアのラインプ周りの造形にスピンドルシェイプが特徴だった4代目の雰囲気が匂うデザインに感じました。
ボディカラーはバイトーン/モノトーン合わせて12色が用意されていますが、メインカラーのひとつである「プレシャスブロンズ」は、面の抑揚が強まることでグラマラスな印象、逆に定番の「プレシャスホワイトパール」は面の抑揚が抑えられることでデザインは全く違うのに先代(15代目)との共通性を感じました。
インテリアは水平基調のクリーンなインパネからドアにかけて連続性のあるデザインで、イメージ的には先代の改良モデルをよりクリーンでシンプルした印象です。
エクステリアの攻め具合に対しては想定内かなと思う部分もありますが、どこか落ち着いてホッとした気持ちになったのは、歴代クラウンの“おもてなし”が継承されたと解釈しています。
その一方で、ソフトパッドとハード樹脂との質感の差やそれをより目立たせてしまうシボの使い方、重厚感がないドアの開閉音、煩雑なレイアウト&金属加飾に見えないプラスチッキーなセンターコンソール周り、カップルディスタンスがあるにも関わらず縦置きのままのカップホルダーなど、細部のツメの甘さは「クラウンらしくないな」と思います。
メーターはフル液晶で4つのテイストと3つのレイアウトから好みに合わせて選択可能です。
燃費やハイブリッドモニター、運転支援などを同時表示できるようになったのは大きな進化ですが、それを選択するための操作方法は要改善レベル。
細かい話になりますが、さまざまな設定はメーター内で操作できますが、平均燃費のリセットだけはセンターモニターで操作というロジックも違和感を覚えるうえ、相変わらずワイド画面を全く活かせていないセンターディスプレイも改善が必要です。
現在、トヨタのクルマの開発は機能軸ではなく商品軸で進められていますが、残念ながらインフォテイメントの部分だけは機能軸のままに感じます。
汎用性が求められるのも解るのですが、もう少し個々のクルマに“寄り添う”努力も必要ではないでしょうか。
運転席に座ると先代とは明らかに異なる目線の高さですが、着座姿勢やコクピット感覚で運転に集中できる環境などはクロスオーバーではなくセダンです。
一方、助手席に座ると開放感ある空間で心地よく移動を楽しめるでしょう。リアシートは2850mmのホイールベースと大きなリアドアガラス&ラウンジのようなシートによる居住性の高さなどからフォーマルユースにも活用できそうです。
ラゲッジは若干狭く、伝統のゴルフバック4個搭載可能はできず3個ですが、それでも十分なスペースといえるでしょう。
ちなみに歴代クラウンの伝統装備である助手席肩口パワーシートスイッチとフロントのシートバック後ろに装着されるアシストグリップは一部グレードに装着されますが、運転席ドアに装着されるテールゲートオープナーや空調のスイング機能は廃止。
この辺りは選択と集中だと思いますが、ちょっと割り切りすぎな感も。形は変わっても歴代ユーザーが「あぁ、これこれ!!」と感じてもらえるようなアイテムは残すべきだったと思っています。
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