全面刷新! 新型「クラウン」試乗すると意外なコト分かった? トヨタ社長「賛否があるのはいいこと!」 随所に「クラウンらしさ」隠されていた!

乗り心地は「クラウンらしさ」を感じる部分?

 フットワークは日常域では駆動方式の概念が変わる走りです。そのひとつが「コーナリング時の旋回姿勢」で、横置きFFのようにフロントを中心に旋回ではなく、まるで重量配分が整った縦置きFRのように旋回軸がドライバーの近くにあるようなイメージです。

 この辺りは四輪操舵(DRS)やACA(アクティブコーナリングアシスト)といった最新の制御技術に加えて、ステアリング舵角入力に応じたリアモーターの駆動力の相乗効果により、そのような姿勢を作り出しているのでしょう。

 それに加えて、コーナリングの一連の流れに連続性があるのはもちろん、滑らかでスムーズなクルマの動きなどから、トヨタ車共通の味「Confident(安心) & Natural(自然)」のひとつの完成形に感じました。

 ただ、誤解してほしくないのはスポーティな味付けではなく、「気負いなく高性能を味わえる」といった本質的なスポーティさを備えていることです。

 その証拠に乗り心地は21インチを履いていることを忘れるくらい高いレベルにあります。路面からの入力が優しさはもちろんですが、個人的にはショックを吸収させるスピードにクラウンらしさを感じました。

 具体的にいうと、ショックをシュッと素早く吸収するのではなく、少しだけ時間をかけてジワーッと吸収させるようなイメージです。

 なので、乗員は「このクルマ、フワフワしないけど優しいよね」と感じられる快適性に仕上がっていると思います。

 とはいえ、大きな入力が入ると21インチの弊害がないわけではありません。その辺りが気になる人は19インチを選ぶといいと思いますが、そうすると見た目が気になることを考えると、20インチくらいが適正な気もしています。

乗り心地は「クラウンらしさ」を感じる部分?
乗り心地は「クラウンらしさ」を感じる部分?

 ちなみに小回り性能はDRSの効果も相まって5.4mとボディサイズを考えると優秀です。

 さらに驚いたのはブレーキ性能で、いわゆる回生協調ブレーキを採用していますが、それを微塵も感じさせないタッチの良さとコントロール性の高さ。

 この辺りは電動油圧ブレーキがアキュムレーター式からオンデマンド式となったことが大きいようです。

※ ※ ※

 見た目やメカニズムは刷新していますが、乗るとクラウンの伝統はシッカリと継承されていると感じました。

 では「クラウンとは何か?」ということになりますが、筆者は「時に優しく、時に頼もしい、そしてどこかホッとする」というところなどから、「お母さん」のような存在なのかなと思っています。

 ちなみに正式発売開始から約1か月で2.5万台に達したそうです。つまり、多くの人が16代目のクラウンに“好意的”だということを証明しています。

 しかし、これは序章にすぎずこれから登場予定の「スポーツ」、「エステート」、そして「セダン」が出揃ったときに、本当の「16代目クラウン」の実力が解ると思います。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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