「高級車の証」なぜ減った? トヨタ新型「クラウン」でも青く光る「色付きガラス」廃止? 消えゆく理由とは

かつての高級車の代名詞的装備だった「トップシェード」とはどのようなものなのでしょうか。またなぜ最近では見かけなくなったのでしょうか。

フロントガラス上部に色が付いている部分は「トップシェード」と呼ばれる

 かつて、クルマのフロントガラス上部に青や緑の色が付いていることがありました。
 
 それらは、「トップシェード」や「ハーフシェード」と呼ばれるものですが、最近ではあまり見かけなくなりつつあります。トップシェードやハーフシェードを見かけなくなった理由は何なのでしょうか。

かつて見かける機会の多かった青い半透明のトップシェードだが、なぜ見かけなくなったのか?
かつて見かける機会の多かった青い半透明のトップシェードだが、なぜ見かけなくなったのか?

 かつてのクルマには、フロントガラス上部に青や緑のグラデーションが付いており、日差しを和らげたり紫外線をカットしたりする役割があります。

 日中や日差しが厳しい真夏のドライブでは、フロントガラス上部から太陽の光が差し込んできたときに視界が遮られることもあり、運転に集中できなくなることもあります。

 トップシェードは、そのような状態から、目にかかる負担を軽減させてくれる役割があるわけです。

 かつて、トップシェードは人気のセダンを中心に標準装備されており、アクセサリーパーツメーカーがフロントガラス上部に装着する青や緑に加工された交換用アイテムを販売していました。

 とくに、ひと昔前のスポーツモデルや高級モデルには、青色のトップシェードが標準装着されていることも少なくありませんでした。

 実際に、スポーツモデルや高級モデルに憧れた人が青色のトップシェードを真似て装着するのが流行った時期もあります。ある種、クルマのお洒落の象徴のような存在でもあったのです。

 かつてホンダでは、車種ラインナップのうち、およそ8割強に設定されていた装備であり、トヨタや日産などでは、装備表のフロントガラスに関する記載で「トップシェード付」というような記載がされていることもありました。

 一方でマツダは、開放感や視界などの点で不利となる場合があるという理由でトップシェードを装備していませんでしたが、以前まではクルマにトップシェードが付いていることもめずらしくなかったのです。

 また、2022年7月に発表された16代目となるトヨタ新型「クラウン」では、15代目までトップシェードが採用されていましたが、今回のフルモデルチェンジで無くなっています。

 その理由について、トヨタ広報部は「そもそも最近のクルマでは採用例が減っているということに加えて、新型クラウンでトップシェードを廃止した理由としては、車内からの開放感や車外から見た際の視認性、そしてデザイン性というさまざまな観点から廃止に至り、無い状態でも極端に眩しいということはありません」と話しています。

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