流行りの「オフロードタイヤ」セダンやクーペには似合わない? “禁断のカスタム”ほとんど見かけない理由

リフトアップすれば可能?

 セダンにオフロードタイヤを組み合わせるのは、ビシッと着こなしたビジネススーツに、ゴツゴツのトレキングシューズを履くようなもの。見た目だけでなく、目的が違うもの同士の組み合わせは、いわゆるミスマッチになってしまうようです。

横浜ゴムが制作した「フェアレディZ」の本格的オフロードモデル
横浜ゴムが制作した「フェアレディZ」の本格的オフロードモデル

 しかし、セダンやクーペでもオフロードタイヤを組み合わせてみるのもアリな気もします。

 ただしその場合は、装着する車両がオフロード走行にも適している4WDで、かつ足回りをオフロードタイヤ装着に合わせてリフトアップするという条件つきになりそうです。

「実は、セダンやクーペをリフトアップさせる手法がアメ車カスタムにはあります。東海岸のマイアミなどで流行した『DUNK(ドンク)』と呼ばれるカスタムスタイルです。

『ハイライザー』や『サウス系』などと呼ばれることもありますが、その場合はセダンやクーペの足回りを極端にリフトアップして、25インチ以上の大径ホイールと扁平率が30前後の薄いタイヤを組み合わせます。

 実際そういったスタイルも存在しており、セダンの足回りをカスタムしてゴツゴツのオフロードタイヤを履かせるのもアリかもしれません」

 つまり、リフトアップ+オフロードタイヤの組み合わせは新しいカスタムで、たとえるなら「和製DUNK」になり得るのだとか。

 ではノーマルの足回りのままでセダンにオフロードタイヤを履かせたらどうなるのでしょうか。神奈川県のH整備士に聞いてみました。

「タイヤ自体の性格が違うので正解が難しいとは思いますが、そもそもホイールハウス内に収まるサイズにできるかという問題があります。

 またサスペンションのストロークもタイヤ自体の衝撃吸収力も違うでしょうし、フェンダー内側にも加工を施さないとハンドルが切りにくくなる恐れもあります。

 オールシーズンタイヤには『M+S』性能を持たせたSUVタイヤがあり、サイズが合えばセダンにも履かせることはできますが、今度はタイヤの強度に対して車重が足らず落ち着かない、いわゆるピョコピョコ跳ねる感じになって乗り心地は悪化するでしょう。

 やはりセダンはオンロードタイヤか、雪道を走るならスタッドレスタイヤを履かせるほうが良いのではないでしょうか」

※ ※ ※

 普通のセダンにゴツゴツしたオフロードタイヤは必要ないと思いますが、ドレスアップとしてであれば、足回りをカスタムしてリフトアップやオフロードタイヤの装着にチャレンジするのも面白いかもしれません。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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