料金所のカメラ「何を見てる?」 オービスとは違う「監視カメラ」の正体は? 誰かが見ている通行状況とは
高速道路などの料金所には、必ずカメラが設置されている様子がうかがえます。正しく高速道路を利用していれば、気にすることのないカメラですが、実は重要な役割を果たしています。このカメラはどのような目的で設置されているのでしょうか。
高速道路の料金所に設置されたカメラはなに?
いまや街中にも監視カメラが増えている時代ですが、高速道路などの料金所にもカメラが設置されています。
通行しているクルマを撮影していることは分かりますが、どのような目的で設置されているのでしょうか。
高速道路のカメラといえば、通称「オービス」と呼ばれる速度違反自動取締装置や、通称「Nシステム」と呼ばれる自動車ナンバー自動読取装置を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、それ以外にもカメラが設置されており、料金所には通行するクルマを撮影するためのカメラが存在します。
このカメラについてNEXCO中日本の担当者は、以下のように話します。
「ETCなどの出入り口に設置されているカメラは、料金精算における障害者割引の確認や、機会の動作確認など、さまざまな目的がありますが、主に不正通行をしたクルマを監視するために設置しています」
不正通行とは、たとえば「停車」と表示されているレーンを押し破って強行突破したり、通行区間を偽って料金を安く支払ったりするなどの違法行為を指します。
「誰も見ていないから」と料金をごまかそうとしても、カメラに「運転手の撮像やETC車載器情報、実際の車種やナンバーが一致しているか」がすべて証拠として残っているのです。
万が一、不正通行ができてしまった場合でも、カメラで不正通行者が特定されると、道路整備特別措置法(以下、特措法)第26条に基づいて通行料金と免れた通行料金の2倍に該当する割増金の徴収がおこなわれます。
ナンバーはもちろん、住所や氏名などの情報をすべて得ることができるため、自宅に督促状が送られる仕組みとなっています。
督促状の納入期限までに支払わなかった場合、通行料金と割増金の合算額に年10.75%の割合を乗せた延滞金を支払わなければなりません。
実際に、夜間など人が少ない時など、堂々と料金所を突破する人もいれば、車載器を通行料の安い他の車と交換する人もいるなど、不正通行の事例はたくさんあります。
不正通行は立派な犯罪であり、常習犯や悪質なものなどは、警察に通報して刑事罰を課す場合もあります。その場合、支払わなかった料金を徴収するだけではなく、特措法第59条に基づいて、30万円以下の罰金が科せられます。
一見するとバレないような巧妙な不正通行であっても、このカメラでクルマと正しい車載器の情報を調べられるため、不正通行はしないようにしましょう。
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