ターボ復活! 日産新型「エクストレイル」なぜe-POWER×VCターボを搭載? 世界初の機構がスゴかった!
日産新型「エクストレイル」はターボエンジンとe-POWERを組み合わせた電動パワートレインを搭載していますが、どのような理由でターボエンジンを搭載することになったのでしょうか。
e-POWERの発電機にターボエンジンを組み合わせた理由は?
9年ぶりにフルモデルチェンして新型に刷新された日産「エクストレイル」は、初代から続く「タフギア」を継承しつつ、上質感を備えた新ジャンルのSUVへと進化しました。
北米の兄弟車である「ローグ」は2020年にフルモデルチェンジしていたのに対し、日本仕様の新型エクストレイルが2年遅れで発売されたのは、電動化技術の搭載に時間が必要だったためといいます。
新型エクストレイルは、1.5リッターのVCターボ(可変圧縮比エンジン)と「e-POWER」を組み合わせた電動パワートレインを世界で初めて搭載。
エクストレイルのターボといえば、初代モデルの280馬力を発生する2リッターターボや、2代目に設定された2リッターのクリーンディーゼルターボがありましたが3代目(国内仕様)には設定されず、4代目でターボ車復活となりました。
その一方で、新型エクストレイルのターボエンジンはこれまでのものとは異なり、e-POWERの発電機として使っています。一体どのような特徴があるのでしょうか。
日産はEVに力を入れてきたこともあって電動化が進められており、エンジンを発電機として使うシリーズハイブリッドの「e-POWER」は「ノート」や「セレナ」「キックス」に搭載されています。
そのなかで新型エクストレイルでは、日産が世界で初めて量産化を実現した、過給圧や圧縮比を変えられるVCターボと組み合わされることになりました。
エンジンを発電機として使うとき、なるべくエンジンの状態が変わらないほうが効率的ですが、自然吸気エンジンを発電機とすると、高出力を出すためには高回転型のエンジンが必要になります。
それに対してVCターボは過給圧と圧縮比を変えるので、アクセルをそれほど踏み込まなくてもパワーが出ることから、e-POWERと組み合わせたときに安定して発電することが可能になりました。
また、回転数を上げなくて良いためエンジン音が静かなことに加え、燃費性能にも貢献。2WDは19.7km/L、4WDは18.4km/Lという低燃費を実現しています(WLTCモード燃費)。
新型エクストレイルの開発を担当した平工良三氏(パワートレイン・EV技術開発本部 エキスパートリーダー)は次のように説明します。
「VCターボエンジンはe-POWERと組み合わせたときに本領発揮します。回転数を上げなくても過給圧のコントロールでパワーを得られ、普段は1.5リッターエンジンですが、いざというときには自然吸気エンジンで3リッター級のパワーが出ます。
アクセルを踏んでパワーがほしいとき、エンジンががんばらなくても過給圧を上げるとトルクがグッと出て、発電能力が上がるというわけです」
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