売るときお得!? それでも「サンルーフ」の人気がダダ下がりした「残念な理由」とは

「サンルーフ」といえば、かつては非常に人気の高いオプションアイテムでしたが、近年はその人気も落ち着き、装着車も減っています。その理由について考察します。

若者の「サンルーフ」離れが止まらない!?

 ひと昔前のクルマにはかなりの確率でオプション設定されていた「サンルーフ」。天候がいい日には明るい車内が楽しめ、全開にすればオープンカーのような解放感が楽しめるアイテムとして人気を誇っていた時代もありました。
 
 しかし現在ではサンルーフをオプション設定するのは一部の高額車両に限られ、装着率もそこまで高くないというのが現状。このようにサンルーフを装着する車両が減ってしまったのはどんな理由があるのでしょうか?

風が気持ちイイ! かつては憧れのオプション装備だった「サンルーフ」も、いまや設定する車種自体が減り続けているという… 写真はホンダのスペシャリティカー「プレリュード」[4代目/1991年]
風が気持ちイイ! かつては憧れのオプション装備だった「サンルーフ」も、いまや設定する車種自体が減り続けているという… 写真はホンダのスペシャリティカー「プレリュード」[4代目/1991年]

 そもそもサンルーフはあると嬉しいけれど、なくてもさほど困らないという装備の筆頭であり、車両自体の価格帯が上がっている現在では、支払総額を抑えるために真っ先に省かれてしまうものという側面があります。

 サンルーフ自体のオプション価格は、車両のクラスに関わらず10万円から20万円ほど(ツインサンルーフなど特殊なものは除く)となっています。

 1000万円に迫る高額車であれば支払総額の数パーセントで収まるところ、200万円前後の車両となると、実に1割近くにもなります。

 クルマが憧れの存在だった世代はともかく、平均所得が上昇しないなかで、年々高騰し続けていく車両価格を考えれば、物事を合理的に考えコスパを重視する今どきの若者世代にとっては「やむを得ないところ」となるのでしょう。

 そのため、近年サンルーフの設定があるのは、もともと車両価格の高めな上級車種か、グレードの中でも上級グレードにのみ設定されることが多くなっているのです。

 そして自動車メーカーとしても、サンルーフをオプション設定することで「サンルーフあり」と「サンルーフなし」という2種類のボディパネルを用意しなければなりません。結果として、製造コストが増加してしまうという難点もあります。

 ユーザーからそこまで選択されないのであれば、設定ごとなくしてしまおうということになるワケです。

 一方でサンルーフは、解放感を得るだけではなく、車内の換気にも一役買ってくれる機能性を持ち合わせた装備となっています。

 喫煙ユーザーにとっては、サンルーフをチルトすることで走行中に効率よく車内のタバコの煙を排出することができるアイテムとしても重宝されていました。

 しかしこちらも近年では喫煙者率が大幅に低下しているのも、サンルーフ人気に陰りが出た一因と言えるかもしれません。

 ちなみにサンルーフを設定するために発生するコストというのは、往々にしてサンルーフ装着車だけに上乗せされるのではなく、その車種全体にじんわり上乗せされることがほとんどであるため、サンルーフを選ばないユーザーにとっても無関係ではありません。

 そのため最近ではホンダ アコードのように最初からサンルーフを標準装備とするものや、厳密にはサンルーフではありませんが、ダイハツ タフトのようにガラスルーフをエントリーグレードにも標準装備とすることで、そもそも作り分けをしないという手法が採られることもあるのです。

 なお北米や欧州市場はサンルーフ人気の高い地域とされており、日本車でも国内仕様には設定のないサンルーフ付が用意されていることも珍しくありません。

 ただしこれらの車種は現地にある工場で生産されているモデルも少なくなく、需要と供給のバランスを考えて生産されているケースが多くなっています。

※ ※ ※

 このように日本では選択されることが少なくなってしまっているサンルーフではありますが、中古車市場に目を移してみると、状況は少し変わってきます。

 中古車市場では相変わらずサンルーフ付の車両は人気が高く、同程度の状態の同型車であればサンルーフ付の方が高値となっています。潜在的な需要はまだまだ存在していることが分かります。

 そのため、もし新車を購入するときに「サンルーフが欲しいけど、どうしようかな……」と迷っている場合は、迷わず選択することをオススメします。

 購入後の満足度がより高くなるばかりか、手放すときの売却額もサンルーフ付の方が有利になることでしょう。

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トヨタ ハリアー

Writer: 小鮒康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。

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8件のコメント

  1. 海外はサンルーフ、革シートがほぼほぼついてるよね。でもエアコンがマニュアル。
    日本は小さな布シートに、エアコンがフルオートが多い?

  2. で、何が言いたいのかわかりません。海外、中古車では人気が有るのがわかりますがこれから購入する人はドチラを選べば…。言いたい事は読めますがこの文字数で完結するなら簡略化した方がよいですね。

  3. …?
    題目の残念な理由は結局はなんだったのですか?
    ・喫煙率が下がったから?
    →残念な理由とはいえませんね。逆にタバコの煙を出す代わりに、コロナ禍で車内の空気の入れ替え等に重宝してる人も居るかもしれませんね。

    ・値段が上がってしまうから、選べる車種が減った、 もしくは少ないから?
    →今に始まった問題じゃ無いですよね。車を趣味としてドレスアップ(サーキット走行系のは除きます)する人なら、やっぱり多少出費しても見た目が良い方、満足度の高いオプションを選ぶんじゃないでしょうか。そして、車に満足感を求める人は、そもそも200万円の(軽自動車ですか?)車を選ぶ人は少ないんじゃないでしょうか?

    サンルーフ付き車に乗ってるので、気になって読んでしまったが、読む価値無しでした。

    ちなみに、私は、ルーフに自転車を積むので、走行中に状態を確認出来るから選びました。

  4. サンルーフって【サンルーフが付いてるんだぞ】って感じでチルトさせてるだけ、全開で開けてる人とかほぼ居ないし、サンルーフ付き車両も所有した事ありますが最初だけでしたね、開けてたの。
    あまり必要ない装備だと思います。

  5. 初新車でサンルーフをつけ、次の新車もつけたが7年間で使ったのは多分10回もない
    次の新車乗り換えは特別車でサンルーフついてなかったかわ購入
    その後、新車を3台乗り換えしたがつけてない
    はっきり言って無くても大丈夫
    オプション費の節約になりました

    • 走行中にサンルーフから子供が顔を覗かせて起こった痛ましいニュースから、
      この装備がある車は避けるようになりました。
      人気低迷の理由とリンクするかは分かりませんが、少なくとも自分はそれが理由です。

  6. そもそもまず、固有名称でT社への配慮不足。そちらは『ムーンルーフ』つまり、お月見をするための屋根だと言っています(何故なの?って私には未だにわかりません)配慮するとしたら、旧NHKの如く『解放天井』とでも言いましょうか?んで、その装備は雨漏りのリスクとか、洗車機に入ってちょっとしたミスで車内に雨が降ったとか、雹害で割れて散々な目に遭ったなど、悪い話の他旧社ブームに目を向ければ一枚モノガラスが入手困難で泣く泣く廃車確定と、たったそれだけで?とやり玉に上がりやすい装備でもある。なによりuv&IRフルカットではないと、女性に嫌がられるし、天気の良い日にシェードだけ開けて明るく開放感を味わってみたら暑くなって結局閉めると、デメリットの方がどうしても目立ってしまってあまり受け入れ難い装備になっているのは明白であろう。

  7. ・ほとんど使わない
    ・補強材で車重アップ&燃費悪化
    ・経年劣化で雨漏り

    ハッキリ言ってロクな事ない
    中古車買う時なんかは、使用頻度がわからないから絶対にパス

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