トヨタが豪華バス「Executive Lounge」製作!? キャプテンシート採用の「FCコースター」 水素社会への取り組みとは
トヨタは、燃料電池自動車(FCV)「ミライ」の技術を応用した「コースター」「ハイエース」「グランエース」などさまざまなモデルを製作しています。そうしたなかで、内装に豪華なキャプテンシートを9座配した「FCV Executive Lounge」なるモデルが存在しますが、どのような特徴を持っているのでしょうか。
アルファード級「キャプテンシート」採用のFCコースターとは
トヨタが販売するライトバス「コースター」。さまざまな分野で送迎用途をメインに活躍しています。
そうしたなかで、燃料電池自動車となる「FCコースター」という珍しい仕様が存在しますが、どのような特徴があるのでしょうか。
コースターは、25人程度の乗員が快適に乗ることができる小型バス需要の高まりを受け、1963年に「ライトバス」として誕生。
1969年のモデルチェンジを機にライトバスからコースターに改称し、50年以上の歴史を誇ります。
世界のさまざまな地域で人の移動を支え、現在では110以上の国や地域で販売。日本でも、飲食店やホテル、幼稚園の送迎などさまざまなシーンで活躍しています。
4代目となる現行モデルは、2017年1月に発売。エクステリアはシンプルでスクエアなキャビンと力強いアンダーボディとの組み合わせにより、モダンかつさまざまな環境で使用できるタフなイメージを予感させるスタイルを実現しました。
2020年には最上級グレードとして「PREMIUM CABIN(ロング/21名)」を設定。特別なゲストのために「快適でゆとりのあるシートレイアウト」と「広いラゲージスペース」にこだわったもので、ゆとりのある座席スペースを実現するため、シートは通常よりも少ない5列シートを採用。
座席の前後間隔を約1m確保することで、観光やビジネスで荷物を多く持ち込まれるユーザーが足元に荷物を置いてもゆったり着座出来ます。
内装は、PREMIUM CABIN専用装備として、スエード調で上質素材のブランノーブと合成皮革を組み合わせたブラックのシート表皮を背もたれと座面に採用。
さらに、サイドトリムにはシートと同色のファブリック素材を取り入れるとともにフロアの通路と足元にカーペットを敷き詰めることで、PREMIUM CABINにふさわしい上質な内装となっています。
そうしたなかで、トヨタは燃料電池自動車仕様となる「FCコースター」もいくつか試験的に製作しています。
その1台は、「FCV Executive Lounge」と名付けられ「移動中にゆっくりくつろぐ」といったコンセプトを持った客席9席(補助席1席含む)の仕様です。
シートも通常の物より豪華なキャプテンシートとなる、まるでトヨタ「アルファード」の後席が備えられている快適な物に変更されました。
そのほか、急ぎの仕事に対応出来るようにWi-Fi通信、各席に100Vコンセント、USB充電口を装備するほか、ガラス面には大型の透過ディスプレイや複数のスピーカーを設置しています。
使用されるFCユニットはトヨタ「ミライ」のシステムやほかの電動車技術を活用し、水素タンク4本(8kg/70Mpa)を搭載することで航続距離約320km、最高速度90km/hを発揮。
また給電能力は、AC100Vで1500Wコンセントを車外6箇所、車内複数箇所に配置。V2H接続は容量9kWを誇ります。
FCコースターについて、担当者は「福島でお披露目したほか、2022年6月に富士スピードウェイで開催された『富士24時間』では、場内間におけるお客さまの送迎用としてすでに活躍しています」と話しています。
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またコースターを使った同じような取り組みとしてトヨタは、2021年3月に世界初の燃料電池医療車を公開しています。
これは、熊本赤十字病院とトヨタが共同で取り組むもので、医療や災害対策分野における商用燃料電池自動車の有効性を確認する実証実験をおこないました。
また、カーボンニュートラルの実現を目指し、平常時及び災害時に利活用できるFC医療車の運用モデルを構築することで、温暖化防止に向けたCO2排出量の削減に貢献することも目的としています。
このようにトヨタはコースターや「ハイエース(300系)」「グランエース」などさまざまなモデルをFCV化することで、水素社会の実現に向けた取り組みを一歩一歩進めています。
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