ホンダ、2025年までに電動バイク「10車種以上」投入へ 脱炭素を加速 モデルの種類とスケジュールは?

ホンダが二輪事業における電動化の目標を発表。2025年までに各カテゴリの電動二輪車計10モデルを投入するといいます。

全固体電池を導入へ

 ホンダは2022年9月13日、二輪事業について、2030年に世界で販売する二輪製品の約15%にあたる年間350万台レベルを電動車とする目標を発表しました。

郵便配達業務で使用される「ベンリィ e:」
郵便配達業務で使用される「ベンリィ e:」

 2025年までに世界で、電動二輪車を合計10モデル以上投入。今後5年以内には販売構成比の約5%にあたる年間100万台の電動車販売を目指すといいます。

 内燃機関(ICE)の進化にも継続的に取り組みつつ、一方で2040年代にすべての二輪製品でのカーボンニュートラルを目指すことを目指し、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化を加速させます。

 普段使いのコミューターEVの分野では、ホンダは「Honda e: ビジネスバイク」シリーズを展開しており、すでに日本郵便やベトナムポスト(ベトナムの郵便事業会社)で採用されていますが、個人用の電動二輪車も2024年から2025年の間に2モデルを投入し、アジア・欧州・日本で販売する予定です。

 また現在、電動二輪車の世界市場(約5000万台)の約9割以上を占めているコミューターEM(電動モペット)・EB(電動自転車。電動アシスト自転車は含まず)の分野では、需要が伸び続けることを見据え、2022年から2024年の間に最大市場の中国をはじめ、アジア・欧州・日本に5モデルを投入する予定です。

「操る喜び」に重点を置いたFUN EVの分野でも、積極的に電動化を推進。2024年から2025年にかけて日本・米国・欧州に3モデルを投入するほか、子供向けモデルも計画しているといいます。

 電動車の基幹部品となるバッテリーは、開発を進めている全固体電池の導入を目指します。

 電動車の普及に欠かせない充電インフラについては、環境整備の一環としてバッテリー規格の共通化を進め、バッテリーシェアリングの拡大に注力します。

 主力市場の一つであるインドネシアでは、バッテリーシェアリングの合弁会社を設立し、現在はバリ島でそのサービス事業を展開。インドでは、電動三輪タクシー(リキシャ)向けの同事業を2022年中に開始予定です。その他アジア各国でも同様の取り組みを計画しているといいます。

 日本では、2022年4月にENEOSホールディングスと国内二輪メーカー4社で、電動二輪車の共通仕様バッテリーのシェアリングサービス提供と、そのためのインフラ整備を目的とするGachaco(ガチャコ)を設立。2022年秋には二輪車向けバッテリーシェアリングサービスを開始する予定です。

 そのバッテリーは、日本ではJASO TP21003(二輪電気自動車用交換式バッテリのガイドライン)をベースにメーカー間で共通仕様に合意。

 欧州ではバッテリーのコンソーシアムSwappable Batteries Motorcycle Consortium(SBMC)に参加、インドではパートナー企業とともに交換式バッテリーの規格共通化を推進しています。

 また、従来のハード売り切り型ビジネスからの脱却を図るため、ソフトウェア領域の強化も推進。子会社のDrivemode(ドライブモード)社と共同で取り組み、電動二輪車におけるコネクテッド領域の新たな価値の創造を強化していくといいます。

 具体的には、航続可能距離を踏まえた最適ルートや充電スポットの案内、安全運転コーチングやアフターサービスの支援など、移動時間の質を持続的に豊かにするUX(ユーザーエクスペリエンス)を、2024年発売予定のコミューターEVから順次提供していく計画です。

【画像】ホンダの交換式バッテリーで走るインドの「リキシャ」を写真で見る(17枚)

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