なぜ「二輪車駐車場」は増えない? 都市部では「探すだけで一苦労」 クルマと異なるバイク事情とは
近年、クルマやバイクの路駐取締りが強化されています。そうした一方でバイク専用駐車場の不足が問題化しています。とくに都心部では原付きのみ駐車出来る場合はあるものの、125cc以上のバイクを駐める場所を探すのには一苦労だといいます。この問題は国土交通などが推進しているといいますが、現状はどのようになっているのでしょうか。
駐める所がない!? 意外なオートバイパーキング事情とは
日本をクルマやオートバイで旅をしていると、このふたつの移動手段に大きな違いがあることが分かります。
それはとくに都市部で感じることですが、駐車場の数の違いです。クルマとバイクではどのように駐車事情が異なるのでしょうか。またバイク用駐車はなぜ増えないのでしょうか。
クルマは、都市部でも地方でも駐める場所に事欠きません。
公共駐車場やコインパーキングが大抵の場所に設置されているのは、周知の通りで、さらに場所によってはパーキングメーターもあります。
一方のオートバイはというと、駐車場所を探すのが大変です。
観光地でさえも、オートバイ用の駐車スペースはごくわずかしか用意されていないということもしばしば。どうしてこんなことになっているのでしょうか。
筆者(山崎友貴)が10代、20代にバイクで全国を走り回っていた頃は、オートバイはどこに駐めてもいいというような風潮がありました。
路肩や歩道はもちろんのこと、ちょっと空いているスペースにバイクを駐めても咎められることはほとんどありません。しかし平成18年に事情は一変します。駐車場法の改正です。
駐車場法が変えられたことにより、自動二輪車、つまりオートバイも「自動車」として定義されるようになり、駐車場に駐めないと放置車両として取り締まられるようになったのです。
それをきっかけに、国土交通省や業界団体の日本二輪車安全普及協会が中心となって、地方自治体や民間にオートバイ用の駐車スペースを確保するよう働きかけが行われるようになりました。
地方自治体には駐輪場のオートバイへの開放、民間には有料駐車場の設置が促されたわけです。
都市部では、以前よりはオートバイ専用駐車場が見られるようになったとはいえ、それも少数。
駐輪場にしても、125cc以下の原動機付き自転車の駐車は可能でも、中型二輪以上のオートバイは駐められないことが多いのです。
この現状について、国土交通省に現状を聞いてみました。
「平成18年の駐車場法改正を機に、国土交通省と業界団体などが連携して、自動二輪車用駐車場確保の取り組みを続けてまいりました。
地方自治体や民間などの協力もあって、平成18年と比べると現在は約10倍の自動二輪車駐車場を確保するに至っています」
たしかに数は増えているようですが、中型・大型バイクが駐める場所は明らかに不足しています。その状況を国土交通省はどのように考えているのでしょうか。
「たしかにそのような状況は、駐車場政策担当者会議などで報告をいただいております。
しかし、現状のデータには駐車可能な排気量までは入っていないため、中型・大型自動二輪車用の駐車スペースがどれほど確保されているのかが当省でも把握できていません。
今後はさらに細かいデータを取り、中型・大型自動二輪車の駐車場確保をさらに進めてまいりたいと思います」
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