なぜ「二輪車駐車場」は増えない? 都市部では「探すだけで一苦労」 クルマと異なるバイク事情とは
なぜ民間のオートバイ用駐車場は増えない?
しかし、なぜ民間のオートバイ用駐車場は増えないのでしょうか。大手のコインパーキング運営会社数社に聞いてみましたが、各社とも要領を得ない返事です。
そこで、国交省と共にオートバイの駐車場確保を推進している日本二輪車普及安全協会に話を聞いてみました。
すると、対応してくれた担当者の私見としながらも、ある事情を聞かせてくれました。
「私たちも民間の運営会社などに協力を依頼しており、その数は以前よりも増えてきていると思います。
当協会のHPには『全国バイク駐車場・駐輪場案内』というページを開設しており、現在約3万箇所の駐車場や駐輪場が登録されております。
しかし、都市部でその数は少なく、大きなバイクを駐める環境はまだまだと思っております。
個人的な見解ですが、都市部とくに繁華街などにオートバイ用の駐車場がなかなかできないのは、やはり収益性が関連しているのではないでしょうか」
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設置の投資のわりに利益率が低いというのです。この点については、国交省も同じ様な見解を持っていました。
ちなみに意外と知られていないのですが、路肩に設置されたパーキングメーターの枠にもオートバイを駐車することが可能です。
1枠1台で、駐車時間は60分と限られますが、お金を支払えば駐禁違反に問われることはありません。昨今では60分100円の二輪車専用枠も設けられるようになりました。
徐々に増えているオートバイの駐車場ですが、冒頭で述べたように十分に整っている状態とはいえません。
地方都市に宿泊する場合に、まずオートバイの駐車ができるかを調べなければ宿泊施設を予約することができないような状態です。
コロナ禍もあって、ここ2、3年はオートバイブームとなっていますが、1980年代のような黄金期を取り戻すには、インフラの整備が不可欠といえそうです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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