岡山「用水路」で事故相次ぐ、なぜ? 気づかぬ「転落事故」多発も! 行政が進める対策案とは
かつて「人食い用水路」といわれた岡山の転落事故。岡山市消防局によると、2020年の救急出動件数は88件と2016年から3割減少したことが明らかになりました。また2022年になってもゲリラ豪雨などで度々氾濫する用水路が取り上げられ話題となっています。現在、どのような対策がおこなわれたのでしょうか。
度々話題となる岡山県の「用水路転落事故」 なぜ起きるのか?
用水路への転落事故が相次いで発生していた岡山県。死亡事故も多発したことから「殺人用水路」とも呼ばれ、これまでもさまざまな報道やSNSで度々話題とされてきました。
県をあげて対策をすすめ、近年、事故は減少傾向にあるものの、今もまだ転落してしまう人は後をたたないようです。
岡山県は、用水路への転落事故が多い県です。それが明るみになったのが2013年、用水路への転落死亡事故数が13件となり全国ワースト1位となったときでした。
2013年から2015年の3年間では総計1143件もの転落事故が発生しており、うち79人が亡くなっています。
さらに、2016年の大雨の際には、道路の高さまで増水し、境界のみえなくなった用水路にクルマが落ちて水没するというショッキングな事故まで発生。
この水没事故については、世間的にも大きな話題となり、いつしか「殺人用水路」「人食い用水路」とまで呼ばれるようになりました。
死亡事故のなかには溺死だけでなく、転落時に頭を打って亡くなるケースもあり、また命は助かっても後遺症が残る人もいるようです。
なぜ用水路で転落事故の発生が多発しているのでしょうか。岡山県警察の担当者は、以下のように話します。
「特別原因や理由が判明しているわけではないのが実情ですが、“まっすぐな道を歩いていて急に用水路に転落する”という例はよくあります。
また、高齢者の事故や、夜間の転落事故が多いため、“夜間で周囲がよく見えず、そのまま用水路に突っ込んでしまった”というケース。
“高齢者でハンドルやブレーキ操作がおぼつかず、用水路に転落してしまった”という事例が多いのではないかと思います」
さらに続けて、前出の担当者は「岡山県は、用水路が多い土地ではあると思います。ほかの土地の用水路と比べても、比較的長いのも特徴です」といいます。
実際、岡山県の歴史を辿ると、古くは江戸時代にかけて造成された新田開発の干拓地で、主要な稲作地帯を形成してきました。
近代に入ると児島湾の干拓が進められ、水田地域が拡大していき、数多くの用水路が整備されていきました。そこに宅地開発も進んだため、用水路が張り巡らされた街並みとなったという歴史背景を持ちます。
県内の用水路には、最大で幅1m・深さmを超える大きさの場所も存在。住宅地のすぐそばを流れる用水路もあり、あまりの数の多さから柵やガードレールもすべての用水路には設置されていないのが実情です。
用水路で転落事故が多発する要因について、以前の取材時に岡山市の市役所の担当者は「用水路は総延長約4000kmとほかの地域と比較して多いことや、用水路が住宅地に隣接していること、そして柵のない用水路が多いなど、さまざまな原因が考えられます」と説明していました。
とくに雨が降り水位が上がっているときや、夜間など視界の悪い時間帯にはやはり、道路と用水路の境界が認識しにくくなり、その道を普段よく利用する人でも転落してしまうこともあるようです。
用水路に落ちる人は石橋を叩いて渡る人じゃないでしょうから。そもそも危険感受性が低いんですよ。冠水した道路を安全に歩く方法は簡単です。先端に行くほどやや柔らかい竿や木の枝などで全盲の人が使う白杖のように地面を撫でながら歩けば良いだけです。そうすれば堰に落ちたり、マンホールに吸い込まれたりしません。
行政も川と道路の境目に白線を引くなりすれば夜間は見えます。それも金が掛かるからできないというのであれば論外でしょうね。人の命よりも金が大事って事ですし、別にきちんとした工事じゃなくても蛍光のペンキを役場で無償配布するので、当該エリアの区長さんは役場に取りに来てくださいってことで良いでしょ。一応、道路ですから市町村道に限られるでしょうけど、中には私道もあるので、それは私道の持ち主が考えれば良いこと。あとは住民の積極性でしょう。何でも役場任せで住民からアクションを起こす気がないなら、住民も役場も端から何もしたくないってことです。