商業施設の「右折入庫禁止」従わないと違反になる? 看板に法的効力はあるのか?
指示に従わず事故を起こしたらどうなる?
商業施設の右折入庫禁止の表示に法的な効力はありませんが、誘導員などがいる場合にその指示従わずに入場した場合はトラブルになる可能性もありそうです。

施設側には利用者に対して守ってもらうルールやマナーを設定しており、施設を利用する場合はそのルールを守ることを了承したと判断され、入庫待ちの長蛇の列ができているなか無理矢理右折入庫した場合などは、駐車場どころか施設の利用自体を断られることもあり得ます。
また、そのように無理に進入して接触事故などを起こしてしまった場合はどうなるのでしょうか。自動車保険の担当者に聞いてみました。
「商用施設内の場合は、標識などに法的効力がないため、通常の事故扱いになると思います。
たとえば停まっている車両にぶつけてしまった場合などはぶつけた側の弁償責任が発生するでしょうが、動いている車両同士の場合は状況に応じての割合になると思います」
たとえば、左折進入しようとしている車両の前に割り込むなどして事故になった場合、右折入庫側の非が大きくなるのは間違いないところ。
逆にいえば、自分が左側進入しようとしているときに右折入庫のクルマと衝突する可能性もあり、しかもこちらが動いている状態だと過失割合も発生するのは納得いかない部分ではあります。
「そんなときにもドライブレコーダーの映像が証拠になりますので、装着をしておいて損はないと思います」(自動車保険担当者)
さらに、無理な右折入庫は交通違反の対象になることもあります。
商業施設前の公道に「車両横断禁止」の標識がある場合、これには「右折禁止」も含まれるので、違反点数1点、反則金7000円が科される場合もあります。
周囲に迷惑をかけない運転を心がけるという意味では、面倒でもUターンや遠回りするなどして左側進入するほうが良いでしょう。
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「左折進入」が求められる駐車場の場合、基本的に「左折出庫」がセットになっています。
右折したい気持ちも分かりますが、これは対向車線のクルマに迷惑をかける行為であり、事故の危険もあるほか、駐車場から出た道は公道ですから交通違反の対象にもなります。
施設側が設けた右折入庫禁止や右折出庫禁止に法的効力がなくても、多くの人が守っているルールに従うのがスムーズな運転だといえます。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。
















