小型ミニバン「シエンタ」で車中泊はギリOK!? 2列シート車ならミニマムな就寝スペースも確保できる

トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」で車中泊はできるのでしょうか。2列シート車なら可能だといいます。

3列シート版「シエンタ」での車中泊は難しいが…

 全長4260mmと小型車並みのサイズを特徴とするトヨタのミニバン「シエンタ」。そのコンパクトさで車中泊することは可能なのでしょうか。
 
 3列シート仕様車は難しいですが、2列シート車なら工夫次第では就寝スペースを確保することもできるといいます。

アウトドアテイストの強い「ベージュ」のボディカラーもシエンタの2列シート車「FUNBASE(ファンベース)」追加の2018年に新設定された(写真は2019年設定のアウトドア特別仕様車「GLAMPER」(グランパー))
アウトドアテイストの強い「ベージュ」のボディカラーもシエンタの2列シート車「FUNBASE(ファンベース)」追加の2018年に新設定された(写真は2019年設定のアウトドア特別仕様車「GLAMPER」(グランパー))

 シエンタはトヨタ最小サイズのミニバンです。2015年7月にフルモデルチェンジした現行型で2代目となります。

 後席左右にスライドドアを備え、短い全長のなかに3列シートを巧みにレイアウトしたことで、扱いやすいサイズながら高い利便性を誇ります。

 シエンタのライバルとなるコンパクトミニバンは、ホンダ「フリード」です。販売面では、双方互角の争いを展開しています。

 フリードは2列シート版「フリード+(プラス)」を設定しているのが特徴です。

 大きな荷物を積むことも多いアウトドアユーザーを中心に支持を集め、常にフリードシリーズ販売台数の2割を占めており、安定した人気の支えとなっています。

 こうした状況に対抗すべく、2018年9月に実施されたシエンタのマイナーチェンジ時には、3列目(サードシート)を外し、広い荷室空間を確保した2列シート版「FUNBASE(ファンベース)」を新たに追加しました。

 シエンタの3列シート車の場合、セカンドシートを座面ごとタンブル(前倒し)し、その位置に5:5分割サードシートを潜り込ませる「ダイブイン格納」機能を有しています。

 荷室を最大化した「フラットラゲージモード」時の荷室長(セカンドシートの背からバックドアまでの距離)は1430mm。小型なボディサイズのなかでは十分な荷室空間といえますが、1.4m程度の荷室長ではとても就寝までは望めません。

 いっぽう2列シート版のファンベースは、よりシンプルなシートアレンジを特徴とします。

 荷室を拡大させたければ、セカンドシートの背もたれを前倒しするだけ。

 荷室側のデッキボードを「ハイデッキ」にすれば、フラットな荷室が誕生します。

 ファンベースが誕生した2018年にトヨタが発表したプレスリリースには以下の文が紹介されています。

「2列目シートを倒すことで、フラットかつ、最大荷室長2065mmの大容量なラゲージを実現しました。

 26インチのマウンテンバイク2台の積載や、車中泊などの、アクティブなシーンで活躍します」

 トヨタの発表資料によると、前席のシートを最前端にスライドし、背もたれをニュートラルにした状態での社内測定値だといいます。

 前席シートを最後端・ニュートラルにした測定値でも1825mmを確保するとのことです。

 いずれにせよ、実質的な「寝床」となる床面は1700mmから1800mm弱といったところでしょう。

 前席と荷室床面にはすき間が生じるので、クーラーボックスのようなしっかりした荷物を積んで空間を埋め、さらにキャンプ用のエアマットを敷くなど工夫を凝らせば、より快適な就寝環境を確保できます。

 荷室幅は最大で1260mmを確保(クオーターピラー間)しますが、大人2名での就寝はかなりミニマムといったところ。例えば大人1名と子ども1名、といった状況なら余裕もできそうです。

※ ※ ※

 シエンタ ファンベースでは、荷室にも工夫が加えられています。

 前出の高さ調整可能なデッキボードは5:5分割式で、左右それぞれにローデッキ・ハイデッキといった使い分けも可能としています。

 また荷室の壁面には「ユーティリティホール」を左右各9個も確保。純正アクセサリーのユーティリティフックやシステムバーを組み合わせることができます。

 例えばテールゲートを開けた際に荷物が外へ倒れないように防ぐバーテーションとして用いたり、システムバーとボードを組み合わせ上下2段の収納とするなど、用途に応じたアレンジを楽しめます。

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