オレンジ&ブルーが眩しい!「GR86/BRZ」10周年記念モデル初披露で語られたトヨタとスバルの開発秘話
オレンジの「GR86」とブルーの「BRZ」に込められた想い
井上氏は「新型GR86とBRZは開発に苦労していたこともありましたが、新型が登場した翌年が10周年な訳ですよ、その一番忙しい時期ですけど、やはり10周年は何かしなくてはダメでしょうということで、忙しい最中でしたが、それぞれ何かネタを考えましょうとなった」と、開発の佳境にも関わらず、10周年に向けてお客さまに喜んでもらえるものを計画していたことが明かされました。

末沢氏は「GR86のオレンジは初代86で一番人気があった色です。じつはもうひとつ想いがありまして、初代の『レビン』、50年前の1972年の『TE27レビン』ですね。トヨタFRスポーツクーペの先駆けとなる車両になります。このモデルもオレンジが非常に人気がありました。その車両への想いもこめてのオレンジです」と初代86だけでなく、その先祖になるTE27レビンのオマージュも込められていることが語られた。
一方の井上氏は「スバルといえばWRブルーというのも定着していますし、昨年(2021年)念願のスーパーGTのチャンピオンも獲りましたし、やはりここはWRブルーとなりました。実は個人的の推しはセラミックホワイトなんですけど、いろいろあってブルーとなりました」と、10周年記念車のボディカラーの裏話を聞くことができました。
インテリアでは、GR86はオレンジのステッチやシートバック、ドアにオレンジの10周年の記念刺繍が施され、BRZはブルーのステッチとシートバック、同じくブルーの10周年記念刺繍が施されているのが10周年車の特徴となります。
10周年が過ぎたことで今後のGR86・BRZについて、井上氏は「愛車という言葉がある通り、愛されるクルマにしていきたいです。9年毎年毎年進化してきて、フルモデルチェンジして1年、まだ進化しているわけです。いろいろな次世代の技術も盛り込んでいければ良いと思います」とコメント。
一方の末沢氏は「2021年に発売になった訳ですが、それで終わりではなくて、毎年毎年進化していく、新しいバージョンを盛り込んでいく、そういうことを考えています。最初にいつまでも開発の会話が止まりませんといいましたが、ずっとそんな話しをしています。あとですね、今日の会場にも多くのアフターパーツメーカーさんがいらっしゃいます。いろんな声をお聞きして、カスタムしやすいですねとファンのみなさんの声にも応えていきたいと思っています」と意気込みを語りました。
スーパー耐久でお互い切磋琢磨していることについて、末沢氏は「選択肢が増えている段階です。いろいろな実績を作りながらの最中です。エンジンの開発もおこなっていますし、軽量化の部分やパーツの開発も進めています」、井上氏も「元々の完成度が高いのですが、走っているといろいろ気づきもあります。あまり詳しくはいえないですけどレースからのフィードバックは入れ込んでいきたいです」とレースでの開発が進んでいることも語られた。
その先にはひょっとしたらGRMN(GR86)やSTIバージョン(BRZ)なども、作れるようであれば作っていきたいと、実現しそうなビジョンも両者から飛び出し、「今後とも両社で多くのコミュニケーションをとりながらファンのみなさんに愛されるクルマ、みなさんに喜んでもらえるクルマを作っていきたい」とトークショーは終了しました。
Writer: 雪岡直樹
1974年東京生まれ。フォトスタジオアシスタントを経てフリーランスのフォトグラファーへ。雑誌やWeb媒体の撮影を担当。自動車雑誌の撮影と並行してユーザーインタビューやイベントレポートを担当することで、ライターとしても活動。国内最高峰のレース「SUPER GT選手権」を長年取材。新車情報やレースレポート、イベントレポートなどを雑誌やWebに寄稿する。


































