高温車内の「ペットボトル」に注意! 突然「破裂」の恐れも!? さらには「収れん火災」の懸念を!

夏の車内には思わぬ危険性があるようです。とくにペットボトルやライター、スプレー缶に注意が必要ですが、どのような危険があるのでしょうか。また、高温となる車内では「透明なもの」が火災の原因になるようです。

真夏の長時間駐車は屋外よりも高温に!

 日差しの強い夏場は、車内の温度が上がりやすく、屋外よりも高温になっているケースが非常に多くみられます。
 
 とくに長時間の駐車で車内にモノを放置すると、熱による故障や爆発の恐れがあるため注意が必要ですが、どのような現象となっているのでしょうか。

夏の車内は高温になる! ペットボトル破裂に注意! さらには「透明なもの」で火災の危険も!
夏の車内は高温になる! ペットボトル破裂に注意! さらには「透明なもの」で火災の危険も!

 気温の高い夏場は、車内の温度も上昇しがちです。夏のドライブではクルマに乗り込んだ際に、サウナのような熱さを感じることも少なくありません。

 JAFが公表している実証実験のデータによると、気温35度の日に午後12時から4時間ほど日なたに放置されたクルマ(ボディカラー:黒)は、車内温度が最高57度まで上昇しています。平均でも51度となっており、夏場の車内がいかに熱いかがわかります。

 なお、サンシェードを使用していたり、窓を3cm開けておいたりと対策をおこなっても、車内の最高温度は45度から50度まで上昇しており、人が長時間滞在できる状態ではないことは一目瞭然です。

 最近では、気温の上昇に連れて、ネット上やテレビニュースなどで熱中症の危険性が叫ばれており、夏場の車内に長時間とどまることの危険性を、しっかりと把握できている人も多いかもしれません。

 一方で、意外と見落とされがちなのが、車内に置かれている“モノ”についての危険性です。高温になる夏場の車内では、放置されたモノによってどのような危険があるのでしょうか。

 JAFでは、夏場のダッシュボードなどにモノが置かれている状況について、実証実験をおこなっています。

 前述の車内温度の実証実験同様に、気温35度の日に午後12時から4時間ほど日なたにクルマを放置した場合に、ダッシュボードに置いた「クレヨン」「卵(フライパンに割り入れたもの)」「スマートフォン」「消せるボールペンで書いたメモ」「100円ライター」の5つがどのように変化するのかを見ていきます。

 まず、クレヨンや卵は、実験開始から1時間から2時間ほどで、ドロドロに溶けたり、固まったりと、明らかな変化が見られました。

 さらに、スマートフォンも警告画面が表示され、ほとんどの機能が停止される状態となっています。

 続いて、消せるボールペンで書いたメモも、インクが薄れて内容が消えてしまい、判読が難しい状態です。

 最後に、100円ライターは、爆発まではしなかったもののケースに亀裂が入り、ガスが抜けた状態となりました。

 ふたつほど置いて実験されていましたが、どちらも同じ状態になり、車内にガスが充満する危険な状況となっていたようです。

 今回は、これらのほかにも、スプレー缶などが放置されていましたが、それらは破裂といったトラブルには至らなかったようです。

 ただ、JAFでは実験結果として「スプレー缶やライターは、今回破裂したり、引火することはなかったが、可燃性の高い危険物を車内に置くことは避けるべきである」と説明し、クルマの所有者に対し、その危険性を訴えています。

 また、東京都では「暖かくなる季節、ペットボトルの飲み残しに注意!」として、車内へのペットボトルの放置について注意喚起をおこなっています。

 東京都がおこなった実証実験では、夏の車内を想定して、60度の場所で10種類のペットボトル飲料(未開封)が数時間放置されています。

 結果として、7時間から8時間程度で各飲料が60度の温度に達し、炭酸飲料に至っては、ペットボトルが変形して中身が溢れ出すといった状況になりました。
 
 この実験をうけて東京都は、以下のように説明しています。

「夏の炎天下で車内にペットボトル飲料を放置すると、未開栓のものでも、内圧が上昇して容器が変形する場合があります。

 とくに、炭酸飲料の場合は容器が破裂したり、開栓時にキャップが飛んだりする危険があるので注意しましょう」

※ ※ ※

 また、車内だけに限りませんが、飲み残しのペットボトルでは、気温の高い状況下において、細菌などの微生物が増殖しやすくなるため、可能な限り飲みきっておくことが大切です。

 そのほか、各都道府県や消防庁などではコロナ禍で持ち運ぶ人が増えている消毒用アルコールに関しての取り扱いに注意喚起をおこなっています。

 厚生労働省によると、ウイルス感染予防に有効なアルコール濃度は70%以上95%以下となっていますが、濃度が60%以上の製品は消防法上の「危険物」に該当。

 そのため、消毒用アルコールは蒸発しやすくて蒸気が引火事故を起こす危険があることを覚えておき、取り扱いには注意が必要です。

【画像】車内放置のペットボトルが高温に! 2時間放置で水は何度になった?(14枚)

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