ホンダ「原付スクーター」の“F1バージョン”!? スポーツ化する原付スクーター市場に現れた特別記念モデル「DJ・1R F-1ウイニングスペシャル」に当時の若者は大注目!!
ホンダはF-1参戦第2期の1986年F-1コンストラクターズチャンピオン獲得し、その記念モデルとして1987年に「DJ・1R F-1ウイニングスペシャル」を発売しました。「ウィリアムズFW11」のイメージを「DJ・1R」に注ぎ込んでいます。
スポーツ化する原付スクーターの注目モデル
2026年は、ホンダが初めて4輪のF-1レースでコンストラクターズタイトルを獲得した1986年から40周年を迎え、国内外で様々な記念イベントが行われています。
「コンストラクターズ」とはレーシングマシンの開発者のことで、1986年シーズンはホンダのエンジンを搭載するチームが世界一となった記念の年でした。
1983年からホンダは第2期と呼ばれる4輪F-1への参戦が始まり、1984年にウィリアムズチームへのエンジン提供を開始して第2期の初優勝を記録します。
勢いに乗るチームは1986年に投入されたF-1マシン、「ウィリアムズ・ホンダ FW11」で16戦9勝を記録し、コンストラクターズタイトルを獲得しました。
一方、同時期に日本国内ではバイクブームがピークを迎え、排気量50cc以下の原動機付自転車(=原付)が年間約200万台も生産・販売されていました。
そんな1985年に、若々しい感覚のファッショナブルスクーター、ホンダ「DJ・1」が発売されます。
手軽で簡単に乗れるのがスクーターならではの魅力ですが、当時のユーザーの大きな注目ポイントは性能アップで、1986年には「DJ・1」もより速く走るための機能と装備を充実させた「DJ・1R」を追加しました。
それまで黒くて丸いだけだった排気管を、まるでレーシングマシンのようなアルミ風サイレンサーをイメージしたチャンバータイプのマフラーに変更し、最高出力を5.3psから5.5psに、さらに6.0psへと、モデルチェンジごとに向上させています。
ふたつのストーリーはひとつに重なり、ホンダがF-1タイトルを獲得した翌年に、「DJ・1R」をベースにした記念モデルが限定販売されました。
F-1のイメージを原付スクーターに投影した「DJ・1R F-1ウイニングスペシャル」の車体は、「ウィリアムズ・ホンダ FW11」をイメージさせるカラーリングに加え、チームのスポンサーデカールが施されていました。

チャンピオンマシンのイメージを上手に纏った「DJ・1R F-1ウイニングスペシャル」は、一際目を引く存在でした。
4輪と2輪の両方で世界を制した記念限定車でありながら、そのベース車は若者に大人気の「DJ・1R」というあたりにホンダらしさを感じさせます。
ホンダ「DJ・1R F-1ウイニングスペシャル」の当時の販売価格は13万5000円です。
【主要諸元】
エンジン種類:空冷2ストローク単気筒
総排気量:49cc
最高出力:6.0PS/6500rpm
最大トルク:0.69kg-m/6000rpm
全長×全幅×全高:1640×625×1015mm
始動方式:セル・キック併用
車両重量:59kg
燃料タンク容量:3L
タイヤサイズ(前後):80/90-10 34J
【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員












