「お見事!」三菱 新型「eKクロスEV」はレベル違いに「滑らか!」な走行フィールが魅力的

三菱が2022年6月16日に発売した新型電気軽自動車「eKクロスEV」は、すでに4000台以上の受注を獲得するなど、売れ行き好調だといいます。実際に乗ってみると、どのような発見があるのでしょうか。自動車評論家・国沢光宏さんの試乗レポートです。

走行フィールは「素晴らしく滑らか」

 三菱自動車の新しい電気軽自動車「eKクロスEV」の売れ行きが好調だ。すでに4000台以上の受注を得ているようで、早ければ11月下旬にも補助金の予算を使い切ってしまうイキオイ。

三菱 新型「eKクロスEV」
三菱 新型「eKクロスEV」

 もし購入を考えているのなら、この試乗レポートを読んだ後、すぐディーラーに連絡した方がいいと思う。

 日産「サクラ」の受注も好調で、ここ1週間から2週間程度で補助金の受給ラインに達しそうです。

 ということで今回試乗したのは上級グレード「P」(293万2600円)にプレミアムインテリアなど33万円分のオプションを加えた極上仕様。

 後で書くけれど私のおすすめは239万8千円の「G」グレードとなり、55万円の補助金を考えると184万8000円(東京都だとさらに45万円出るため139万8000円)というお値打ち価格になるから素晴らしい。もちろん走りの部分はPもGもまったく同じです。

 車両そのものの雰囲気はガソリンエンジン搭載の「eKクロス」とまったく同じ。ドアなど専用にしたサクラと違う。

 インテリアも素材の質感を上げたり、インパネにステッチを入れたりするなど頑張っているものの、すべてが新しい雰囲気に仕上がっているサクラと比べたら少しばかり普通。逆に考えるとインテリアさえ気にならなければ、外観デザインの好みで決めればいい。

 ということで試乗といきましょう。Dレンジをセレクトしてブレーキを離す。するとまったく動かない。あれれ? アクセル踏んだら少しばかり唐突に動きだす。

 クリープを付けなかったのね、と思いながらチェックしてみたら、坂道発進でずるずる後退しないヒルスタートアシストのスイッチがONになってました。ガソリン車のATよりクリープ力は弱いのだろう。

 ヒルスタートアシストをOFFにしたら、滑らかに走り出すようになった、というか、素晴らしく滑らかです! 平均的な電気自動車につきもののコギング(発進時出るモーター特有の微振動。先代「アウトランダーPHEV」なども出ていた)を感じない。

 コギングを抑える技術、実はなかなか高度。日本の電気自動車でコギングを感じないのは日産車とeKクロスEVだけです。

 このクルマが走るような街中など走ってみる。もう大満足でしょう! 悪い部分無し。アクセルに対する反応は自然かつ十分なパワー。

 そして素晴らしいのは駆動系の精度。電気自動車の技術レベルって、アクセル全開と全閉を繰り返すとハッキリ解ります。

 アクセル全閉から全開にすると、ギアの当たり面が逆側になる。その際、工作精度高ければまったく問題無し。

 しかし工作精度低く隙間あると、遊び(詰められる隙間はガタですね)の分だけ歯車が当たる。大きな歯車のため「ガキン!」と大きな音を出し、衝撃も出ます。

 そいつを出さないようにするには、アクセル開けた直後は少ししかパワー出さず、隙間が無くなってからフルパワーにするという制御にしなくちゃならない。アクセル全開と全閉を繰り返したらすぐ解ります。

 いや、実際は普通に走っていても敏感な人なら感じるだろう。eKクロスEVときたら見事! 拍手しちゃうくらい滑らかなのだった。軽自動車でここまで精度の高い駆動系を採用してるんだから嬉しい。この一点だけ取ってもeKクロスEVのレベルの高さが解ります。

 その他、80km/h以上でもう少しパワー欲しいと思うけれど、対策したら64馬力を超えちゃうというので仕方ない。

 ということで迷っているなら補助金が出るウチに買っておくこと!

 グレードは軽自動車としての使い方を考えたら豪華装備なんか不要だと思う。

 239万8000円のGグレードでLEDヘッドライトを始め安全装備などすべて付いているから問題無し。ヒザを守るニーエアバッグまで付いてるほど。ナビは車外品で十分でしょう。高い買い物だからと気持ちは太っ腹になりがちながら、冷静に。

 そうそう。サクラは「すでに持っている人もいるでしょうから」という理由で200V充電ケーブルが6万3910円のオプション(おそらくサクラを買った人の99%は持っていないと思いますよ)。

 eKクロスEVは標準装備。持っている人のためにレスオプションもあり、そうすると1万8千円安くなる。だったらレスオプションしないでサクラのオーナーに安く譲ってあげたらいいと思う(笑)。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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1件のコメント

  1. 「平均的な電気自動車につきもののコギング(発進時出るモーター特有の微振動。先代「アウトランダーPHEV」なども出ていた)←はい。家内の初期型リーフと私のPHEVをのり比べると、やっぱわかります。
    日産の制御技術は素晴らしいと脱帽します。 後発メーカーとの差はEVが普及していけば日本製品の優秀さはこういう所で出てくるだろう。
    新型アウトランダーPHEVを購入予定なのでコギングが直っていることを期待しています。
    長距離はアウトランダーPHEV。中距離まではリーフe+を使い分ければ十分。それにドアパンチされそうな場所へはBEV軽。今年建てた新居は、130坪の土地に6台は入るガレージにしたが、各所に200V電源とV2Hを装備した。
    もうガソリン車にはもどれない。ガソリン高騰の折、集合住宅の人たちには気の毒だけど、普及していけばそのうち集合住宅も物件価値が下がるから設置せざるを得なくなるだろう。それまで高騰するガソリン価格を甘受するしかないでしょう。

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