自動ブレーキ、約半数が誤解 クルマの「先進技術」はかえって危険?
秀逸だったスバルの「ぶつからないクルマ?」、しかし…
自分の愛車の「自動ブレーキ」がどのような条件で作動するかを知っていないと、「止まるはずが当たった」という事故にあいかねません。また、「自動で止まるのだから、少々無理してもいい」「自動なんだから、半分ウトウトしてても大丈夫」「自動ブレーキがあるからよそ見しててもいい」などと思う人がいるかもしれません。そうなれば「『自動ブレーキ』の存在自体が危険」という意見も出てしまうでしょう。
新しい技術が生まれ、それが普及していくときに重要なのは、やはり一般への啓蒙ではないでしょうか。
「自動ブレーキ」を誰も知らない状況であれば、インパクト重視もありだと私(鈴木ケンイチ:モータージャーナリスト)は思います。「ぶつからないクルマ?」というスバルのCMキャッチコピーは秀逸でした。ものすごいスピードで「自動ブレーキ」を日本に普及させたのですから。しかしいまとなっては、「?」が入れられ「絶対ではない」と同社が注意喚起しているとはいえ、その弊害も心配になってきました。またもしかすると、世の中の「自動運転の実現は近い」という報道も“勘違い”を増長させている部分があるかもしれません。
ある意味「自動ブレーキ」はいま、最初の“踊り場”に着いたのではないでしょうか。認知度を高めて、ニーズを掘り起こすステップはクリアしました。次は、より深い理解をうながすプロモーションをどのように行うのか、そんな時期にきたのではと思います。ただし、どんなキャッチコピーにするかは、その道のプロにお任せしたいと思いますけれど……。
【了】
提供:乗りものニュース
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。




