ロシア向け中古車輸出は減ってない! むしろ盛況!? 経済制裁は「影響なし」の驚くべき実態とは
新車同様の中古車がロシアへ数多く渡っている!?
さすがに5月になれば減るかとも思っていたら1万1630台。このままだと年間13万台規模になるため、2020年の12万6400台や、2019年の12万2500台と同じくらいの台数になるだろう。
そう考えていたら、現場はもっと驚くべき状況になっていた。オークション会場などから輸出される港までクルマを運ぶ仕事をしている人に聞いたのだけれど、仰天の情報です。
いわく、「ロシアへの中古車の輸出は増えています。以前と違うのは、バリもんの新車同様の中古車が多くなったことです。
私の地方では、元々ロシア向けを扱っていた業者が自社車だけでは手が回らなくなり、下請けにも輸送を委託している状況です。
中京地区の業者オークション会場では、5月に成約率がなんと過去最高の80%以上を記録。同じ年式でも、去年と落札価格が変わらない状況です」
早速チェックしてみたらその通りで、FOB(車両価格)は今までより30%程度も上がっている。
例えば2021年4月のFOBは57万1000円。2022年4月になると70万5000円。5月はさらに値上がりし、昨年の58万円に対し82万8000円になっている。
金額ベースでいえば過去最高といって良いほど。中古車相場全体の底上げになっているようだ。
もう少し詳しく調べてみたら、今やロシア国内では日本車も欧州車も生産していない。需要に供給がまったく追いつかないという。仕方なくお金持ちは高年式の中古車を購入する動きになっているということです。
この状況はいつまで続くだろうか。関係筋に聞いてみると、今のところ何の制約も掛かっていないという。やがて公表される6月の台数も好調かつ、FOBは高値を維持すると関係者はいう。
この件はどう考えたらいいだろうか。
乗用車は戦闘車両にするワケではない。ロシアに外貨を稼がせ、それで戦争の道具を調達できるということでもない。
むしろロシアの外貨(日本側はロシア通貨ルーブルでの支払いは拒否しているという)を減らす動きになっている。体力をジワジワ奪っているということ。
だからこそ日本政府も制限を掛けていないのかもしれない。
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。




















