最近のクルマは「ターボ」をなぜアピールしない? かつての「憧れ」は過去のもの? 当たり前になったターボの意義とは

かつては高性能車の代名詞だった「ターボ」という言葉。最近では採用例が増えているものの、昔ほどアピールするメーカーは減りました。そこにはどのような背景があるのでしょうか。

かつては高性能車の代名詞だったターボ

 エンジンにさらなるパワーを与えるターボチャージャー(ターボ)は、かつては高性能車の代名詞ともいえる存在でした。
 
 しかし、昨今ではターボを搭載していることをアピールしているモデルは少なくなりました。そこにはどのような背景があるのでしょうか。

かつては「TURBO(ターボ)」が高性能のアピールだった(画像:ホンダ「シティターボII」)
かつては「TURBO(ターボ)」が高性能のアピールだった(画像:ホンダ「シティターボII」)

 ターボの基本的な仕組みは、エンジンから排出された空気を用いてタービンを動かし、それによってより圧縮された空気をエンジンに送り込むというものです。

 原理上は、空気が圧縮されればされるほどエンジンの燃焼効率は高まり、より多くのパワーを生み出すことが可能となります。

 そのため、一般的には、自然吸気(NA)のエンジンに比べてターボを搭載したエンジンのほうが最高出力が向上します。

 ターボが持つこうした特性は、これまではおもに高性能車向けに活用されてきました。

 乗用車にターボが搭載されるようになったのは、1960年代のアメリカが最初とされています。

 日本国内でターボが搭載された乗用車は、1973年に発売されたBMW「2002」が最初とされており、その後ポルシェ「911」などにもターボ搭載モデルがラインナップされるようになりました。

 国産メーカーでは1979年に発売された日産「セドリック/グロリア」を皮切りに、同じく日産の「ブルーバード」や「スカイライン」にもターボを搭載。

 その後、国内外の多くのメーカーがターボエンジンをラインナップするようになり、一気に普及することになります。

 ただし、当時ターボが搭載されていたクルマのほとんどが、スポーツカーあるいは大排気量の高級車といった高性能モデルでした。

 つまり、この当時のターボは、必要十分以上の性能を有していることの代名詞という意味合いがあり、「ターボ搭載」ということが声高らかにアピールされていたのです。

 いわゆる「ドッカンターボ」と呼ばれる、背中を押されるような加速は1980年代から1990年代のスポーツカーの大きな特徴となりました。

 その後、1990年代以降には、高級スポーツカーなどを中心に2組のタービンを備えた「ツインターボ」も見られるようになり、「ターボラグ」を最小限にしつつ、超強力なパワーを発揮するモデルも登場。

 このように、高性能車の代名詞とされてきたターボですが、その一方で、近年販売されているモデルでは、かつてほどターボを搭載していることをアピールしている例は多くありません。

 その背景には、自動車産業におけるターボの位置付けが変化したことが関係しています。

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