「誰の責任?」 年間32万件の落とし物! 道路上の落下物で事故発生!? 悪いのは「落としたor踏んだ」どちら側なのか
運転中などで道路上に落下物を発見することがあります。とくに高速域で走行している高速道路上では事故の要因ともいえますが、落下物を踏んで跳ね上げて後続車にぶつけたら誰の責任になるのでしょうか。
落下物を跳ね上げてしまい後続車にぶつけてしまったらどうなる?
高速道路や一般道路を走行していると、路上に落下物が落ちていることがあります。
そんな落下物ですが、走行中にうっかり踏んでことにより跳ね上げて後続車にぶつけてしまった場合、どのような問題となるのでしょうか。
NEXCO中日本が管理する道路上で、交通管理隊が処理した落下物の件数によると、落下物にはプラスチックやビニールが多く、件数は年間約2万2000件にも及ぶといいます。
次いで、タイヤや自動車付属品などの自動車部品類が7300件、角材やベニヤ板などの木材類が5300件です。
そんな路上の落下物ですが、警察署の担当者によると「落下物を気づかず踏んでしまった結果、後続車のクルマを傷つけてしまったり、事故を起こしてしまった場合には、道路交通法の『安全運転の義務』に違反してしまう恐れがあります」といいます。
道路交通法の第70条「安全運転の義務」では、クルマを運転する際にハンドル、ブレーキなどの操作を的確におこない、事故を起こさないように最善の注意を払って運転をしなければならないということが記載されています。
ちなみに「安全運転義務違反」に該当する主な例として、わき見運転や漫然運転等の「前方不注意」、周囲の安全を十分に確認できていない「安全不確認」、勝手な思い込みで誤った運転をおこなう「予測不適」などが挙げられます。
このことから、落下物を跳ね上げ、後続車に危害を及ぼしてしまったり、事故を起こしてしまった場合、落下物を避けられなかった不注意などから、前述の法律に反することが考えられるのです。
ただし、前述の担当者によれば「基本的な事故の責任は落下物を落とした人にあり、そもそも高速道路で物を落としたら道路交通法の違反になります」といいます。
道路上に落下物を落とした場合には「道路交通法第71条4号の2」、高速道路の場合は「道路交通法の第75条の10」に違反することになります。
道路交通法第71条4号には「車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときは、速やかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講ずること」と説明されています。
また、道路交通法第75条の10には、「自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、(中略)積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない」と記されています。
目の前で落としたのならさておいても、落としてしばらくしてからなら”どちらが悪いか?”と言うのは常識のある人間なら容易に想像できるわな。