石橋IC渋滞の特効薬!? 神奈川~静岡の新ルート「伊豆湘南道路」構想とは? 西湘BPや小田厚に接続

静岡県東部と神奈川県西部を結ぶ「伊豆湘南道路」という新たな道路構想が浮上しています。どのような内容なのでしょうか。

函南・熱海・湯河原・真鶴・小田原を結ぶ道路構想

 静岡県函南町と神奈川県小田原市を結ぶ新たな道路構想が持ち上がっています。名前は「伊豆湘南道路」といいますが、どのような構想なのでしょうか。

西湘バイパスの石橋IC(画像:写真AC)
西湘バイパスの石橋IC(画像:写真AC)

 静岡・神奈川両県の資料によると、伊豆湘南道路は、静岡県東部から神奈川県西部にかけてを結ぶ30kmほどの道路です。

 静岡県函南町で計画されている伊豆縦貫道の函南IC(仮称)から東へ進み、熱海市、神奈川県湯河原町・真鶴町を経由して、小田原市の西湘バイパスや小田原厚木道路に至るルートが構想されています。

 現在、この区間を行き来するには、東名高速へ大きく迂回するか、国道1号、箱根ターンパイク、熱函道路、国道135号などを通ることになります。

 しかしこれらの一般道は急カーブや急勾配が多いことから事故も多く、大雨や積雪による通行止めもしばしば発生しています。

 また、海沿いを走る国道135号は関東と熱海・伊豆を結ぶ主要ルートですが、観光シーズンを中心に混雑が慢性化。

 特に国道135号と西湘バイパス支線が分岐・合流する石橋IC付近は、激しい渋滞が発生するポイントとなっています。

 国交省の集計データによると、熱海市~小田原市間の夏期の所要時間は平均40分、渋滞時73分とムラがあるほか、湯河原町内の国道135号・8月休日の旅行速度は24km/hを下回るなど、流れの悪さが課題となっており、物流にも影響が出ているといいます。

 ほかに代替となる幹線道路もなく、さらに山が海に迫っていることから、津波や高波で国道135号が寸断されると真鶴・根府川周辺では一部エリアが孤立するとも予想されています。

 また、沿線地域は農水産物の輸送や、豊富な温泉地・観光資源を背景とした観光客の移動も活発です。

 道路が開通した場合、沼津~小田原間の所要時間は、約82分から半分の約39分にまで縮まるといいます。

 地元自治体などは1998年に伊豆湘南道路建設促進期成同盟会を結成し、以降、国交省などに要望してきましたが、2022年3月、国交省中部地方整備局が伊豆湘南道路について「計画の具体化に向けて神奈川県及び静岡県と連携して進めます」と発表。構想から一歩前進しています。

【画像】「伊豆湘南道路」の想定ルートを見る(7枚)

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